活動レポート Report

干ばつ被害と物価高騰に苦しむ住民に食料配付:ケニア

2023年6月28日

AAR Japan[難民を助ける会]はケニア北西部の半砂漠地帯トゥルカナ西準郡で、長引く乾季による干ばつや物価高騰に苦しむ住民に対する緊急食料支援を実施しています。配付の様子をケニア・カクマ事務所の中川梨緒奈が報告します。

ケニアの女性が支援物資の入った箱2つを持って笑顔で立っている

AARからコメや豆などの食料を受け取る女性

これまでAARが難民支援を行ってきたカクマ、カロベイエ地域の9つの難民の受け入れ地域を対象に、今年1月以降、高齢者や障がい者、未成年が世帯主といったより困窮する374世帯(約2,200人)に食料配付を続けています。20万人以上の難民を受け入れている同地域では、多くの支援団体が活動しており、難民を対象とした支援に偏りがちなことで地域住民から反発の声が上がることがあります。そこで、AARは受け入れ地域の住民にも食料を提供し、栄養状態の改善に取り組んでいます。

色鮮やかな衣装や首飾りをまとったケニアの人々が行列している

支援物資を受け取りに集まった人々

多品目の食料を配付

公正な配付のため、1世帯ずつ訪問して聞き取り調査を行ったほか、近隣住民の意見も考慮して対象世帯を選出。配付したのはコメや豆、トウモロコシ粒、ミルク、砂糖、塩、調理油など約1カ月分の食料です。他団体や政府が支給する食料と比べて品目が多く、とても好評でした。ヤギやラクダなどの家畜を主な収入源とする住民にとって干ばつの影響は大きく、家畜が死んでしまうだけでなく、他地域の住民との間で時には死者を伴う家畜の奪い合いが発生しています。食料を受け取った男性は「家畜がすべて奪われ、頼るものが全くなくなってしまった」と訴えます。別の女性は「支援のおかげで元気に働けるようになり、薪や木炭を売って収入を得ています」と感謝を伝えてくれました。

受け取った食料の袋を頭に乗せて運ぶケニアの人々

食料を受け取って笑顔を見せる人々

中川 梨緒奈NAKAGAWA Rionaカクマ事務所

国際関係・国際学を専攻した後、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)勤務などを経てAAR入職。2023年1月よりケニア・カクマ事務所駐在

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