ロシアによるウクライナ軍事侵攻が長期化する中、AAR Japan[難民を助ける会]は難民・国内避難民への支援を隣国モルドバ、ウクライナ国内、そして日本で実施しています。AAR東京事務局でウクライナ支援事業を担当する藤原早織がこのほど、佐賀県内で講演・出前授業を行い、現地の様子やAARの支援活動についてお伝えしました。
シアターシエマ映画上映会
佐賀市内の映画館シアターシエマで8月6日、ウクライナで2014年に起きたマレーシア航空機撃墜事件を背景に、戦時下で生きる人々を描いた映画『世界が引き裂かれる時』(2022年)の上映会が開かれ、藤原がトークイベントに登壇しました。
藤原は現地の写真を見せながら、実際にモルドバで難民と接した経験を紹介しました。ウクライナでは成人男性の出国が原則禁止されているため、難民の大多数は女性と子どもたちです。藤原は「どこからどのように避難して来たか、女性たち一人ひとりの話を聞くうちに、家族と離ればなれになった今の状況がいかに辛いかということを感じた」などと自分自身の思いを交えて語りかけました。
会場はアットホームな雰囲気で、参加者の皆さんからは、「難民と接する時に気を付けていることは?」「支援活動の資金はどうしているのか」などの質問が相次いだほか、「現地で活動されている方の話だけに現実味があった」「もっと多くの人にウクライナ問題について知ってほしい」といった感想が寄せられました。
唐津市立肥前中学校
唐津市立肥前中学校(吉岡浩市校長)の全校生約90人を対象とした平和集会の出前授業が8日、同市肥前文化会館ハーモニーホールで開かれました。同校では生徒会主導でウクライナ募金活動に取り組む中で、「ウクライナのリアルな状況を知りたい」という声が上がり、藤原が今回「支援活動から見たウクライナの現状」をテーマにお話ししました。
藤原は大きなスクリーンにウクライナやモルドバで撮影した動画・写真を映しながら、長引く避難生活の様子や人々の思い、AARの支援活動を紹介しました。また、中学生に向けて「こうした問題を知ること、考えること、行動し経験することが大切」とメッセージを送りました。
生徒会長の北原煌心さんは「平和を守らなければならないという思いが増した。正義とは何か、善と悪とは何かを自分なりに考えて行動していきたい」と話してくれました。
AARでは多彩なバックグラウンドと専門性を持つ職員が「難民」「国際協力」「障がい者支援」などテーマに応じて、全国で講演・出前授業(対面・オンライン)を行っています。お気軽にご相談ください。