活動レポート Report

「日本の皆さん、支援ありがとう」:トルコ地震8カ月

2023年10月5日

テントの前で仲良く遊、ぶ4,5歳の少年

避難生活を続けるトルコ地震被災地の子どもたち=ハタイ県クルクハンで9月29日

2023年2月にトルコ南東部で発生した大地震から約8か月。隣国シリアと合わせて5万7,000人以上が犠牲になった震災では、未だ200万人を超える人々が避難生活を送っています。AAR Japan[難民を助ける会]は南東部の被災地の中でも特に支援が届きにくい地域で、衛生用品などの配付を続けており、これまでにのべ8万9000人以上の被災者に支援を届けました。現地の人々の声を東京事務局のガウシーモジバが報告します。

「楽しかった思い出まで失った」

「地震当日、私は少し遠方まで泊りがけで出かけていました。そこで大きな揺れに遭い、大地震が起きたことを知りました。村の様子が気になり、急いで戻ってみると、あまりの光景に現実を直視することができませんでした」。

残暑が続く9月下旬、支援物資を届けるために訪ねたアディアマン県ベスニ郡の村で、レイラさん(55歳)は話しました。ここは最も被害が大きかった地域のひとつで、地震から8カ月近くが過ぎても、崩れた建物やがれきが撤去されずに残されていました。

崩れた家の周りにのこるがれき

がれきが残されたままの被災地=アディアマン県ベスニ郡

「私が住んでいた村は丸ごとまるごと消えていました。自宅は崩れ、家の中にあった家財道具すべてが、がれきの下敷きになっていました。そこでの生活や楽しかった思い出も、何もかもが失われました。本当につらかった。地震前のあの家に帰りたい、そんな思いで今も過ごしています」とレイラさん。洗剤や石けん、シャンプーなどを手渡すと、言葉を詰まらせながら心情を語ってくれました。

レイラさんは現在、全壊した自宅の近くに設置されたコンテナで暮らしています。他所で暮らしている娘たちは無事ですが、レイラさんは震災後、ひとり村に残っています。「今も生活は苦しいです。水の確保に苦労していて、飲料水も十分ではありません。洗濯の水があっても洗剤や石けんがない。一日も早くコンテナから出て家に帰りたい」。

コンテナの前で女性に話を聞くAAR職員2名

レイラさん(右)に話を聞くAARのガウシ―(左)

「温かい気持ちも届いています」

地震発生直後から支援を開始したAARには、多くの皆さまがご寄付とともに、被災したトルコの方々へのメッセージを寄せてくださいました。

「一日もはやく被害者の方が安らげる日が来ることを祈っています」
「東日本大震災では多大な援助をしてくださったトルコ。本当に少しですが、お役に立ててください」
「トルコ旅行をした際、トルコの人たちに大変お世話なりました。今回の地震は他人事とは思えません」
「旅行で訪れた際に、とてもフレンドリーに接してくれた東トルコの人々の被災に心を痛めています」
「日本とトルコの友情は永遠です」

私たちは支援物資を手渡す時、こうした日本からのメッセージも伝えました。

「つらい避難生活の中で不足していたものを、日本の皆さんからたくさんいただきました。下着を届けてくれた時は丁寧にサイズも確認して、私たちが本当に必要としているものを支援してもらいました」。そして、レイラさんは真っ直ぐ私の目を見て伝えてくれました。

「日本の皆さんも大地震を経験していると聞きます。そんな皆さんからの支援に心から感謝しています。皆さんが送ってくれたメッセージや気持ちも私たちに届きました。本当にありがとうございます」。

AARからの支援物資を持つレイラさん、横に立つガウシー

支援物資を受け取ったレイラさん(左)とガウシ―

被災地ではレイラさんのようにコンテナ生活、あるいはテント生活を余儀なくされている被災者が今も多数います。AARは被災者の声に耳を傾けながら、復興に向けて中長期的な支援の方法を模索しています。引き続き、AAR のトルコ地震被災者支援へのご協力をお願い申し上げます。

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AARのトルコ地震緊急支援への
ご協力をよろしくお願い申し上げます。

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ガウシーモジバGHAUSSI Mojiba 東京事務局

国際協力NGOでのインターン・勤務を経て2022年にAAR入職。東京事務局でアフガニスタン支援などを担当した後、2023年8月よりトルコで地震被災者支援に従事

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