AI(人工知能)を搭載した兵器キラーロボット(自律型致死兵器システム)の開発が世界各国で進む中、この規制・禁止を論議する国連総会第一委員会が米国のニューヨーク国連本部で10月19~25日に開催され、キラーロボット反対キャンペーンの一員としてAAR Japan[難民を助ける会]は日本のNGOとして唯一参加しました。AAR東京事務局の櫻井佑樹が報告します。
国連総会第一委員会は、国連総会の主要な6つの委員会のひとつで、軍縮と国際安全保障を扱います。通常兵器に関する論議では、人間の判断を介さずに相手を殺傷するキラロボの規制・禁止に向けて、法的拘束力のある文書策定の交渉を始める決議を採択するよう、国連加盟国に呼びかけるための議論が展開されました。
その結果、自律型致死兵器システム(LAWS)に関する史上初の勧告決議案が、オーストリア以下27カ国が共同提案国となって委員会に提出されました。これは国際的なキラロボ規制に向けた大きな一歩と言えます。開会中にはAARが長年取り組む地雷やクラスター爆弾、軍縮に関するセッションも開かれ、有意義な情報交換が行われました。
AARは各国のNGOなどが参加する国際的な運動体「キラーロボット反対キャンペーン」で、アジアで唯一の運営委員を務めています。日本国内でも非人道的な武器であるキラロボの規制・禁止に対する理解を広げ、論議を活発化するために、引き続き情報発信・啓発活動に取り組んでまいります。
櫻井 佑樹SAKURAI Yuki東京事務局
民間財団勤務の後、英国の大学院で平和学を学ぶ。2012年AAR入職。ザンビア、タジキスタン駐在を経て、東京事務局で 東日本大震災支援、「ストップ・キラーロボット・キャンペーン」などを担当。