活動レポート Report

「こんなの欲しかった!」断水続きで無水グッズが大活躍:能登半島地震

2024年2月21日

能登半島地震で大きな被害を受けた石川県では、一部地域で今も断水が続き、復旧のめどさえ立っていません。AAR Japan[難民を助ける会]が企業からご提供いただいて、現地に届けている「水が要らない防災グッズ」がとりわけ好評です。被災地の声をお伝えします。

2人の女性が物資を持って向かい合っている

石川県精育園に水が要らない衛生用品を届けるAAR職員=石川県穴水町で2024年2月17日

震災発生から6週間余りを経て、断水が続く同県穴水町の障がい者支援施設「石川県精育園」(社会福祉法人徳充会)。重度を含む知的障がい者105人が暮らしていますが、水道の復旧のめどは立たず、歯磨きや入浴もままなりません。

AARがヤマトエスロン株式会社(大阪府八尾市)から無償提供された「無水ハミガキセット」(歯ブラシ・糸ようじなど)をお届けすると、職員の皆さんから「こういうものが欲しかった!」という声が上がりました。通常の歯磨きができず、職員が脱脂綿で利用者の歯をきれいにしていますが、「指をけがしてしまう恐れがあり、これで安心して歯磨きの介助ができます」。

机の上に置かれたダンボール箱を4名で囲んでいる

無水ハミガキを受け取った社会福祉法人すず椿の皆さん=同県珠洲市

社会福祉法人すず椿(珠洲市)でも、サービス管理責任者の職員は「水道は当分の間、復旧が望めません。利用者の口腔ケアが行き届かない状況なので、無水歯ブラシはしっかりした製品でたいへん助かります」と話します。

両施設には株式会社フェリシモ(神戸市)の水が要らない「ドライシャンプー」「ウェットタオル」もお渡ししており、いずれも入浴が難しい状況にあって、介護の必須アイテムとして活用していただいています。

無水歯磨きを持った2人の男女

社会福祉法人四恩会インクルしかのスタッフの皆さん=同県志賀町

段ボールベッド「とても助かっています」

また、避難所での生活を少しでも快適に過ごせるように、段ボールベッドが通常装備として利用されています。断熱効果が高く、体育館や公民館の冷たく硬い床で寝る必要もなくなります。輪島市立大屋公民館の館長、久堂寛久さんは「別途提供されたマットレスと併せて、とても助かっています。避難している皆さんにたいへん好評です」と話します。

ダンボールの囲みの中で男性と犬が横たわっている

避難所に設置された段ボールベッドでくつろぐ男性=同県輪島市

飼い犬と一緒にくつろいでいた70代の男性は「こんな状況だけど、段ボールベッドのおかげで安心して眠れて、身体もちょっと楽な気がするよ」。輪島市内ではAARが届けた森井紙器工業株式会社(新潟県燕市)の段ボールベッドも活躍しています。

被災地では倒壊家屋の撤去、仮設住宅の建設がようやく始まりましたが、日常生活を取り戻すにはまだまだ時間がかかります。物資提供を通じてAARの被災者支援にご協力いただいている企業・団体の皆さまに改めて感謝申し上げます。

AARの能登半島地震被災者支援へのご協力を重ねてよろしくお願い申し上げます。

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