活動レポート Report

移動式お風呂カーで入浴サービスを提供:能登半島地震

2024年2月26日

2024年1月1日の能登半島地震発生から2カ月が経ちます。大きな被害を受けた石川県では今も一部地域で断水が続き、被災した人々は入浴やトイレの利用において不自由な生活を強いられています。AAR Japan[難民を助ける会]は被災地で活動するNPOと連携して、移動式お風呂カーの支援を開始しました。

男性が浴槽に入っている

お風呂カーの湯船に気持ちよさそうにつかる利用者=石川県輪島市町野町金蔵で2024年2月21日

石川県の被災地ではライフラインや道路などのインフラが大きな被害を受けました。なかでも上下水道の被害は大きく、今も広い地域で断水が続いています。こうした地域の人々は自衛隊や宿泊施設が提供する浴場を利用していますが、使用可能時間や利用者数に制限が設けられていたり、場所が離れていたりするため、希望どおりに入浴ができるわけではありません。

お風呂カー(トラック)の内部。椅子や洗面器もある

お風呂カーの内部。1トンの水が積載できるタンク、浴槽とシャワーを備える

AARは、長引く避難生活の疲れを少しでも癒やしてもらおうと、NPO法人ふくい災害ボランティアネットとNPO法人チーム二本松と連携して、移動式お風呂カーの運用を開始しました。お風呂カーは家庭用の一般的な浴槽とシャワーを備えており、入浴の際に難しい操作は必要ありません。1トンの水を積載できるほか、水のろ過装置も搭載しており、水の確保が難しい場所ではろ過・消毒した沢の水を沸かして使うこともできます。

トラックの荷台にはしごがかかっており、スタッフが内部を説明している

移動式お風呂カーの使用方法を利用者に説明するAAR職員=同県輪島市町野町若桑

お風呂カーは能登町神和住地区を皮切りに2月19日から運用を開始。輪島市町野町若桑避難所に避難している上谷さんは30分以上お風呂を堪能し、「久しぶりに自分の家の風呂に入っているようでとても良かった。本当に気持ちよかった。ありがとうござました」と笑顔で話しました。利用された他の皆さんは「浴槽が広くて気持ち良かった」「久しぶりに一人でのんびりお風呂に入れた」とさっぱりした様子で話し、入浴後の時間をくつろいで過ごしていてました。

畳の部屋で男性2人が座って話している

入浴後にさっぱりした様子でAAR職員と話す上谷さん

自衛隊や宿泊施設が提供する入浴支援サービスでは、介助が必要な障がい者や高齢者も利用できるところがありますが、利用時間が限られていたり、集団での入浴となったりするなど、ゆっくりと入浴することが難しい場合があります。AARのお風呂カーは障がい者や高齢者の皆さんにもご利用いただいており、能登町では障がいのある方が家族に介助されながら気兼ねなく入浴していました。

復旧の見通しが立たない中、被災した皆さんの心と身体は不自由な避難生活によって大きな負担を強いられています。AARは避難生活を送る皆さんの疲労を少しでも癒すことができるよう、物心両面から支援を続けてまいります。AARの能登半島地震緊急支援へのご協力をお願い申し上げます。

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