活動レポート Report

断水が続く被災地に「水」の支援:能登半島地震

2024年3月7日

能登半島地震では水道インフラが大きな被害を受け、地震発生から2カ月以上が経った今も広い地域で断水が続いています。AAR Japan[難民を助ける会]は、障がい者施設や避難所への飲料水の配付をはじめ、井戸用の電動ポンプの提供や移動式お風呂カーの運用など、水に関する不便を解消するための支援を継続して行っています。

井戸に電動ポンプを設置する男性2名の写真

休眠井戸に電動ポンプを設置=石川県輪島市町野町金蔵地区で2024年2月11日

石川県輪島市では、地震の影響でほぼ全域の1万1,000戸余りが断水しました。2月下旬までに約3,400戸で断水が解消されましたが、今もなお多くの家庭や避難所で水道が使えない状況が続いています。料理や飲用に水道水が使えないだけでなく、入浴やトイレ、洗濯や歯磨きにいたるまで、水を自由に使用できず、人々は大きな負担を強いられる不便な生活を余儀なくされています。

長らく断水が続いていた輪島市町野町金蔵地区では、以前使われていた「休眠井戸」を復旧させ、生活用水として利用する計画が進められていました。AARは地域の人々からの要請を受けて、井戸から水を汲み上げる電動ポンプを2つ提供しました。ポンプを井戸に取り付け、つながれた管から水が勢いよく出た瞬間、大きな歓声があがりました。

 

井戸から十分な水が出た瞬間、喜びの声があがる

その後、配管工事が行われ、井戸から自主避難所の台所まで水を送ることができるようになりました。水道が止まり食器を洗うのさえ苦労していた女性は「これでようやく普通に水が使えるようになりました。今までは当たり前に使っていた水道のありがたみがわかりました」と安堵した表情で話しました。

女性がシンクの中で食器を洗っている写真

井戸から出た水で食器を洗う

AARはこの自主避難所の近くの共有スペースに洗濯機も提供し、避難所に身を寄せる方々が共同で利用しています。これまで遠くのコインランドリーまで出向いたり、冷たい水で手洗いしたりしていた方々からは「本当に助かっている」と感謝の声が寄せられました。

ポリタンクの前に立つAAR大原と住民男性の写真

地域の人々の拠り所となったいるお寺にろ過した沢の水を貯めるための大型ポリタンクを3つ提供=輪島市町野町佐野地区で2024年2月22日

2月19日に運用を開始した移動式お風呂カーは各地の避難所などを巡回しており、利用した被災者からは好評の声が届いています。高齢の家族の入浴を介助した女性は「いろいろ制限がある自衛隊のお風呂には行きたがらず困っていました。ここでゆっくり入浴できて本当に助かりました」と話します。3月2日には入浴介助ができるボランティアに同行してもらい、障がい者など介助が必要な方も、家族の手を借りずに入浴することができました。

断水が完全に解消されるまでには長い時間がかかり、被災した人々が水を自由に利用できない生活は当面続く見込みです。AARは被災者の困難を少しでも解消できるよう、支援を続けてまいります。AARの能登半島地震被災者支援へのご協力をよろしくお願い申し上げます。

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