アフガニスタンで2023年10月、西部ヘラート県を震源とする大きな地震が発生し、多くの人々に甚大な被害をもたらしました。AAR Japan［難民を助ける会］は、今も厳しい状況に置かれている被災住民に食料や毛布などを配付しています。
AARが被災地で配布した1カ月分の食料と毛布などのセット ＝アフガニスタン西部ヘラート県で2024年3月28日
昨年10月のアフガニスタン地震では、7日から15日にかけてマグニチュード6を超える大地震が4回発生、43,000人以上が被災し、1,400人以上が犠牲となりました。震災から半年が経つ現在も深刻な状況が続いており、被災した多くの人々が仮設テントなどでの避難生活を余儀なくされています。特に被害の大きかった西部ヘラート県では、この冬に前例のない大雪に見舞われ、災害のショックから立ち直ろうとする人々の妨げになりました。
AARは現地政府との調整や物資の調達、対象世帯の選定などの準備を進め、3月末に物資配付を行いました。被災した人々の中でも障がい者や高齢者がいる世帯など特に脆弱な立場にある130世帯910人を対象に、小麦粉や豆、コメなど1カ月分の食料と、石けんなどの衛生用品、毛布などを配付しました。
配付の順番を待つ人々。AAR現地スタッフ（左）が受益者リストと引換券を照らし合わせて確認を行う
障がいがあるため就労が難しいラヘラさん(女性、32歳)は、支援物資を受け取り、「AARのスタッフは私たち被災者の話を一人ひとり丁寧に聞いてくれました。避難生活を続けるうえで必要となる食料や毛布のような物資を提供してくれて、とても感謝しています」と話しました。
支援物資を受け取ったラヘラさん（右）
シャーさん(女性、80歳)は、地震によって自宅が崩壊し、がれきの下敷きになったところを近くに住む人々に助け出されました。「怪我の治療で数日間入院して、退院後は支援団体から医療サービスや食料配付の支援を受けてなんとか生き延びることができました。AARは話を聞きにきて、困っているところを助けてくれました。ありがとうございます」と感謝を伝えてくれました。
ロスタムさん（男性、23歳）は、地震で最愛の家族を失いました。「最初の大きな揺れが起こった時、私たち家族は家の中にいて、妻が幼い子どもに授乳しているところでした。私は、妻と子どもを助けようとしましたが、屋根が上から崩れ落ちてきて身体が押しつぶされ、身動きが取れなくなりました」。
その後も大きな揺れが続いて起こり、それによって奥さんと子どもも屋根や壁の下敷きになってしまったといいます。「友人が助けに来てくれて、私をがれきの下から引っ張り出し、私はそのまま病院に搬送されました。数時間後に家に戻った時、妻と子どもはすでに息を引き取っていました」。
カブール事務所スタッフのインタビューを受けるロスタムさん（右）
ロスタムさんはAARの現地職員から支援物資を受け取り、感謝の言葉とともに安堵の表情を浮かべました。「今でも悲しくてやり切れない気持ちでいっぱいです。そんな中でも、AARのように支援してくれる団体に心から感謝しています。生活を再建できるように支援を続けてほしいと思います」。
受け取った支援物資の上に座り込む少年
地震発生時に呼び掛けた緊急募金に対し、多くの皆さまから温かいご支援をお寄せいただきましたことに改めて御礼申し上げます。アフガニスタンでは政府・行政との調整などに時間を要するため、思うように支援活動を進められないのが実情です。被災地では半年を経た今も、多くの人々が支援を待ち続けています。AARは少しでも多くの支援を直接届けるために、現地職員と緊密に連絡を取りながら活動を続けてまいります。
引き続き、AARのアフガニスタン地震被災者支援へのご協力をお願い申し上げます。
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