18人が犠牲になった台湾東部地震(4月3日)から約1カ月、AAR Japan[難民を助ける会]は現地協力団体「基督教芥菜種會」(The Mustard Seed Mission:MSM/本部:台北市)と連携し、花蓮県の山間部で被災家屋の修理、当面の生活を支える現金給付などの支援活動を続けています。MSM現場チームからの報告です。
震度6強を記録した花蓮県ではその後も余震が相次ぎ、一部地域で今も断水と停電が続いています。山間部には少数民族タロコの人々が暮らす集落が散在しており、現場チームはアクセスしにくいエリアを回って家屋や給水施設の損傷を調査し、これまでに修理の要望があった49世帯のうち8世帯で復旧作業を完了しました。給水タンクが崩落した同県秀林郷の家屋の住民は「地震の後、水が自由に使えなくて困っていましたが、迅速に修理してくれて助かりました。こんな山の中まで支援に来てくれて感謝しています」と話します。
台湾随一の観光名所「太魯閣渓谷」は客足が途絶え、地域の主要産業である観光業は深刻な打撃を受けています。地震の被害に加えて、地域住民の中にはホテルの仕事を失うなど生活に困窮する人々もいるため、MSMは当面の生活費として50世帯に現金を給付したほか、食料や衛生用品などを届けました。支援物資を受け取った女性は「余震が続く中、将来への不安もあって眠れない夜もあります。こうして支援を届けてもらい、心が安らぎました」。
また、MSMは花蓮市内の活動センター内にある宿泊施設を一時避難所として開放し、4月末までに高齢者や子どもを含む1,125人(男性697人/女性428人)を受け入れました。必ずしも住む場所を失った被災者ばかりではありませんが、震災のショックと不安で精神面で不安定になっている人もいるため、専門家によるサポートも行われています。
台湾東部地震の被災者支援では、AARを通じて日本から寄せられたご寄付が活用されています。被災地・花蓮を代表して、日本の皆さまのご厚意に心より感謝を申し上げます。MSMとAARが協働する支援活動へのご理解をよろしくお願い申し上げます。
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