活動レポート Report

「私たちを忘れないで」被災者支援を続けています:アフガニスタン地震

2024年8月2日

2023年10月にアフガニスタン西部ヘラート県で発生した地震では、4万3,000人以上が被災し、広範囲で家屋が倒壊するなど甚大な被害が生じました。AAR Japan[難民を助ける会]は、被災者の中でも特に脆弱な世帯に物資配付などの支援を行っています。

AARが実施する物資配布の様子

AARが届けた物資を受け取る被災者=アフガニスタン西部ヘラート県で2024年4月

AARは震災後にニーズ調査を行い、現地政府との調整を重ねたうえで緊急支援を実施しました。2回目となる物資配付では、障がい者や高齢者がいる1,642世帯に、小麦粉や豆、コメなど1カ月分の食料と、石けんなどの衛生用品、毛布などを届けました。

たくさんの人が集まっている配賦会場

1日に約500人が集まった配付会場

アブドゥルさん(55歳)は、最も深刻な被害を受けた地域のひとつであるヘラート県ジンダジャン郡に、10人の家族とともに暮らしていました。世帯主として生計を立てていましたが、地震によって仕事を失い収入が途絶えました。「食料も十分確保できない状況が続き、家族全員が身体的にも精神的にも追い込まれていった」とアブドゥルさんは話します。

「地震が起きてからしばらくは、家族のためにどうやって食料を調達するかを苦慮する日々でした。支援団体が来てくれて、ようやくまともに食事をとれるようになりました。AARから食料や日用品を提供してもらい、本当に助けられました」と感謝を伝えてくれました。

アブドゥルさんにインタビューするAARスタッフ

震災後の過酷な生活をAAR現地職員に語るアブドゥルさん(左)

シャムスディンさん(56歳)は農業で生計を立てていましたが、年を重ねるとともに病気がちになり、農作業を続けることが難しい健康状態でした。そこに今回の地震が襲い「家も家財もすべてを失った」と話します。

「食料がなく、私にできる仕事もないので、どうしようもできない状態でした。AARの支援のおかげで、1日3回食事がとれるようになりました。今では、子どもたちも元気に学校に通っています」とシャムスディンさん。しかし、ガスや薪などの燃料を買う余裕はなく、「太陽光発電の設備も支援してほしい」と言います。

物資受取の際の手続き

物資を受け取った後、リストに拇印を押して受け取りの記録を取る手続きを実施

ヘラート県などの被災地では、地震発生から10カ月経った現在も多くの人々が仮設テントなどでの生活を続けており、復興への見通しは立っていません。被災者の多くが「私たちのことを忘れないでほしい。生活再建まで支援を続けてほしい」と切実に訴えています。

アフガニスタンでは、2021年8月のイスラム主義勢力タリバンの復権から3年が経とうとしています。治安状況は改善に向かいつつも、アフガニスタン難民・国内避難民の数は増加しており、人道的支援を必要としている人々が多く取り残されているという状況は変わっていません。

AARはアフガニスタンで、地震被災者支援のほか、パキスタンからの帰還民への緊急支援や地雷対策などの活動に取り組んでいます。引き続き、AARのアフガニスタン人道支援活動へのご協力をお願い申し上げます。

※この活動は皆さまからのご寄付に加え、ジャパン・プラットフォームの助成を受けて実施しています。

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