活動レポート Report

子どもたちも手伝って炊き出し実施:能登半島大雨緊急支援

2024年10月4日

記録的な大雨に見舞われた石川県能登地方では、民家や仮設住宅が浸水被害を受け、多くの被災者が避難所に身を寄せています。AAR Japan[難民を助ける会]は9月22日に炊き出しを開始し、24日からは協力団体のNPO法人ピースプロジェクト(代表:加藤勉AAR理事)と連携して支援を実施しています。

子どもたちが炊き出しをしている

炊き出しを手伝う近隣の子どもたち=石川県珠洲市立若山小学校の避難所で2024年9月30日

今回炊き出しを行った石川県珠洲市立若山小学校の避難所は、1月の能登半島地震に際してもAARとピースプロジェクトが継続的に支援した場所です。震災に続いて今年二度目の避難所生活となった住民も多く、炊き出しを受け取ると、「また会えましたね」「よく来てくださいました」と声をかけてくれる方もいました。

男性が子ども2人に料理を手渡している

炊き出しの料理を手渡す加藤勉AAR理事(左)=若山小学校で2024年9月27日

炊き出しの準備には、避難所に身を寄せる被災者や近所の子どもたちがボランティアとして参加。9月24日から30日までに、具沢山の豚汁やカレーライス、洋風トマトスープ、麻婆豆腐丼、豚丼、牛焼肉丼など、のべ1,198食の温かい食事を提供しました。西日本豪雨(2018年)の際にボランティアとしてお手伝いいただいた方から提供された完熟のシャインマスカットをデザートとして出した時は、「こんな美味しいぶどう初めて食べた」という声が上がりました。

牛焼肉丼(左)とシャインマスカット(右)

温かい食事が提供される炊き出しは、ひと時、気持ちを落ち着かせる場にもなっています。一日中、家の中の片付けに追われたという女性は、「心も身体も疲れて戻った時に、食事があるのが本当にありがたいです」と話します。そして「震災に続いて我が家がこんなことになって、この先どうすればいいのか分からない。子どもたちには、親が辛い、しんどいところを見せたくないから、家では泣けなくて……」と目に涙を浮かべて話しました。

豚汁(左)とバターライス(右)

1月の地震では被害をまぬがれたものの、今回の洪水で1.5メートルの高さまで泥水が流れ込んでしまい、家に住めなくなったという被災者もいます。かつて例を見ない過酷な「二重被災」の状況に、「なぜ、また能登なのか」と嘆く声も聞かれます。

地震と水害に相次いで見舞われた被災地では、多くの支援が必要とされています。AARの能登半島大雨の被災者支援へのご協力を重ねてお願い申し上げます。

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