地震と大雨の「二重被災」に見舞われた石川県能登地方にも秋が訪れ、朝晩めっきり涼しくなってきました。AAR Japan[難民を助ける会]はアウトドア用品の企画・販売を手掛けるビーズ株式会社(東大阪市)にご提供いただいた秋冬物衣類を、同県輪島市内の避難所や障がい福祉施設にお届けしました。
同社の商品が現地に届いた10月9日、グループホーム「海と空」(石川県輪島市)に冬物アウター16着、秋物アウター15着、Tシャツ20セットをお届けしました。「海と空」は1月の震災時から福祉避難所になっており、家を失ったり生活再建のめどが立たなかったりする被災者12人が避難中ですが、今回の水害でさらに避難者が増える見込みです。施設管理者の鬼平晶子さんは、「家屋が全半壊した利用者や職員もいます。大雨で家財が流されてしまい、秋冬物の衣類がほしいという声が多かったので、ご支援いただいてとても助かります」と話します。AARは衣類に加え、1月の震災時にもお届けした飲料水、レトルト食品、介護用品、衛生用品などを提供しました。
翌10日は輪島市門前公民館に向かい、68人分の秋物アウターとTシャツをお届けしました。大雨被害を受けて、同市門前町浦上地区と七浦地区から避難した17人が同公民館に、51人が隣接する門前東小学校に避難中です。このうち、特に七浦地区は今も停電と断水が続いており、土砂崩れで道路の通行もままなりません。
公民館職員の中谷君子さんは「地震による避難者の受け入れで、職員は正月から休みなしで働いてきて、ようやく休暇が取れるかなと思っていた矢先に大雨でこんなことになってしまって……」。それでも、AARが支援した秋物アウターを手にして「温かいですね。これから能登は寒くなるので、避難者の皆さんに早速お配りします」と笑顔を見せてくれました。
ビーズ株式会社のお力添えに心より御礼申し上げます。これから寒くなる季節に向けて、AARは同社の防寒着をはじめとする衣類など必要とされる支援物資をお届けしてまいります。引き続き、AARの能登半島地震・大雨被災地支援へのご協力をお願い申し上げます。
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