AAR Japan[難民を助ける会]は、10月19~20日に熊本県熊本市で開催された「ぼうさいこくたい2024」に参加し、東京事務局で国内災害を担当する堀尾麗華がステージ発表しました。
内閣府などが主催する「ぼうさいこくたい」は、防災に関する活動を実践する自治体や団体・機関などが一堂に会し、それぞれの取り組みや知見を発信・共有する日本最大級の防災イベントで、熊本地震が発生した2016年に始まりました。9回目の開催となる今年は、全国からのべ400団体以上が参加し、講義型セッションや来場者が楽しく学べる体験型ワークショップ、ブースでのプレゼンテーション、屋外展示などが行われました。
堀尾は「教訓は未来の力:防災を『じぶんごと』に」と題したステージ発表で、1月の能登半島地震発生当初から現在までのAARの支援活動とニーズの変化について、自身の現場経験を交えながら語りました。さらに、被災した障がい者が直面する課題とその背景に触れ、日本の障がい者人口のうち障がい福祉制度の利用者は11.8%に過ぎず、震災の被災地では、平時から地域で孤立していた障がい者が充分なサポートを得られず、さらに困難な状況に置かれている実情を指摘しました。
参加者からは「被災した外国人にどのように支援を届けたのか」「能登での活動報告の中で被災者の想いも伝えてもらい、とても心に残った」などの質問や感想が寄せられました。
会場では多くの団体や企業の展示・発表が行われ、「日本ロービジョン学会」は視覚障がいのある人への支援方法や災害時の行動について紹介。「公益財団法人日本眼科医会」は災害時の眼科医療支援や無料検診を提供する「ビジョンバン」(眼科医療支援車両)を展示しました。また、石川県七尾市の「株式会社ほっとプレイス72」は災害用の寝袋兼敷物「おまもりぶくろ」を活用し、能登半島地震の発生当日にわずか5分で避難所を仮設した事例を紹介しました。
AARは本部がある東京都品川区と「災害時における応急対策業務に関する協定」を結んでいるほか、品川区社会福祉協議会との防災イベントの開催、品川防災フェアや品川区防災訓練への参加など防災活動に取り組んでいます。引き続き、平時の防災活動と災害発生時の緊急支援の双方に力を入れてまいります。