AAR Japan[難民を助ける会]は日本で暮らすアフガニスタン難民女性支援の一環として、「アフガニスタンのお料理教室」を10月26日に千葉県野田市で、11月8日に千葉市でそれぞれ開催しました。料理上手の難民女性を講師に、参加者はチキンカライ(鶏肉のトマト煮)やボラニ(おやき)などに挑戦し、会話と料理を楽しみました。
アフガニスタンでは2021年8月にイスラム主義勢力タリバンが復権し、迫害を恐れて日本にも800人以上が避難しています。AARはアフガニスタン難民の女性と地域の方々が互いに知り合い、日常生活の中で気軽に助け合う関係づくりを目標に、これまでにも「手芸教室」などを開催してきました。
料理教室はNPO法人「地球市民交流基金 アーシアン」(千葉市)と共催し、野田市は10人、千葉市は6人が参加しました。
野田でのメニューは、 アフガニスタンの家庭でよく作られるというチキンカライとデザートのフェルニ(ミルクプリン)。カライとは「炒める・焼く」という意味です。ひと口大に切った鶏の胸肉にヨーグルトとニンニクのみじん切り、塩こしょう、コリアンダーパウダー、 バルティ・ゴーシュト・マサラ(Balti Gosht Masala=赤唐辛子、クミン、ターメリック、カルダモンなどが入った調味料。ネットなどで購入可能)をまぶして15分ほど置きます。フライパンに油を大目に熱して鶏肉を入れ、ふたをして加熱します。時々混ぜて、肉とソースが焦げないようにします。刻んだ玉ねぎや刻んだトマト、生のコリアンダーなどを加え、さらに少し煮込めば完成です。
出来上がったチキンカライは、スパイスがよく効いてピリッと辛く、日本のご飯にもよく合いました。参加者からは「香りが良く、とてもおいしかった」「スパイスたっぷりで、体の内側から温まる」などの感想が聞かれました。講師の女性が「アフガニスタンでは羊の肉をよく使います。朝食用に作ることも多いですね」と説明すると、「朝から油をしっかり使ったお料理を食べるんですね」と驚きの声が上がりました。
千葉市のメニューは、ボラニとヨーグルト・ドリンクなど。ボラニは小麦粉に水と塩を足して練り、寝かせて生地のタネをつくります。ふかしてつぶしたジャガイモにコリアンダーや小ネギのみじん切り、塩、黒コショウなどを加えて餡をつくり、円形に伸ばしたタネに餡をのせて、半月型にしてフライパンで焼きます。
ヨーグルト・ドリンクには水、少量の塩、ミントとキュウリのみじん切りを加えます。キュウリのみじん切りはまな板を使わず、キュウリを立てて持ち、縦に細かく切れ目を入れ、上部から削るようにしていきます。日本では見たことがない切り方に、参加者からは「キャー、怖い」「すごいね」など驚きの声が上がりました。
まな板を使わずにキュウリをみじん切りにする講師
試食会では両会場ともに活発な質問が寄せられました。野田市では「アフガニスタンで女性はどのような生活をされているのですか?」「女子教育はどうなっていますか?」など。千葉市では「アフガニスタンの主食は何ですか?」という質問に、講師が「パンも食べます。コメも食べます。パンは毎日、家で作っています」と日本語で答えるなど会話が弾みました。講師の女性たちの日本語の上達ぶりはスタッフも驚くほどです。
2021年のタリバン政権復権を受けて退避してきた方々の日本滞在は3年を超えました。しかし、就職や教育、住居などの面で課題が多数残っています。また、政治的・経済的に混乱が続くアフガニスタンに家族を残してきている人が多く、心労が絶えません。講師の女性の一人は「家にこもっていると気持ちが暗くなり、アフガニスタンのことや離れ離れの家族のことを考えたりしてしまいます。でも、今日は楽しくて、気持ちが明るくなりました」と笑顔で話してくれました。
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