活動レポート Report

避難民への食料配付を続けています:レバノン

2024年12月26日

中東レバノンとイスラエルは2024年11月27日、停戦に合意しました。しかし、その後もイスラエルと武装組織ヒズボラによる空爆や攻撃が行われたほか、隣国シリアではアサド政権が崩壊するなど、先の見えない情勢が続いています。この地域の難民や避難民が不安定な状況に置かれる中、AARは現地協力団体shareQと連携し、レバノンの首都ベイルート近郊に避難している国内避難民に対し食料配付の支援を続けています。

ここには、2枚の写真が掲載されています。左側の写真では、白い調理服にマスク、衛生帽姿の女性が、弁当にパスタを詰め、軽量しています。右側では、弁当にミートソースを詰める作業が行われています。

避難民へ配付するお弁当を調理するshareQのスタッフ

国連人道問題調整事務所(UNOCHA)の状況レポート(12月17日付)によると、停戦によって、約83万人の国内避難民がもともと住んでいた土地へ帰還した一方、約16万5,000人がいまだに帰還できていません。また、シリアに逃れていた約9万人の難民がレバノンに再入国しています。故郷に帰っても水道や電気などのインフラが戦闘によって被害を受けていたり、食料や教育、医療へのアクセスが限られていたりするなど、多くの課題が残されています。今後も停戦が続くかどうかは不透明で、治安悪化や不発弾の危険もあり、同報告書では、「安全で持続可能な帰還条件は満たされていない」としています。

AARはレバノンの現地協力団体shareQと協力して、国内避難民を対象にした食料支援を行っています。前回の活動レポートでお伝えした障がい者施設「レバノン特殊教育協会(LASE)」に続き、11月26日までに、ベイルート郊外にある、「デクワネ観光・商業科学専門学校(LSI)」でも食料支援を行いました。同校には子どもや高齢者ら136人が避難しており、レンズ豆のスープやチキンライス、パスタなど計2,176食を提供しました。

現地協力団体「Share Q」アンナ・マリア・テイルーズ職員からのメッセージ

レバノン人の女性の顔写真

アンナ・マリア・テイルーズ職員

「この1年、レバノンは戦争の影響で多くの家族が避難を余儀なくされ、先の見通せない生活が続いています。食料や基本的なサービスへのアクセスが制限され、多くの人々が困難な状況に置かれています。

私たちが支援しているレバノン特殊教育協会(LASE)やデクワネ観光・商業科学専門学校(LSI)には、多くの人々が避難していますが、彼らの安全確保のため、直接訪問することや情報収集を行うことは制限されており、危機の実態を外部に伝えることが難しい状況です。

こうした中、私たちは最も喫緊の課題である食料不足に注力し、両施設に栄養価の高い食事を提供しています。お腹をすかせた子どもたちやお年寄りなど、最も脆弱な人たちに希望と安心感をもたらしました。

この危機では、レバノンの人々の生きる力や団結力が試されています。復興の道は険しく、まだ先は長いかもしれませんが、持続的な支援と地域社会の力があれば、レバノンは再び強く立ち上がり、明るい未来を築けると信じています」

AARは今後も、不安定な情勢が続くレバノンやシリアでの支援を継続します。引き続き、ご支援へのご協力をよろしくお願い申し上げます。

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