活動レポート Report

厳しい冬を乗り越えるために:能登半島地震

2025年2月28日

2月上旬から日本列島に到来している寒波の影響を受け、能登半島地震の被災地も大雪に見舞われています。AAR Japan[難民を助ける会]は、障がい福祉施設の利用者や職員、外国人被災者の方々が厳しい冬を乗り越えられるよう、防寒着や冬物衣料などを配付する支援を行っています。

数十センチ雪に埋まった車の写真

積雪がピークに達したAAR能登事務所近く=石川県七尾市で2025年2月8日

石川県内では2月上旬から大雪が続いており、例年の2〜4倍の積雪量となっています。AARの能登事務所がある石川県七尾市の市街地でも車のタイヤが埋まるほどの積雪となり、地域の人々からは「ここ数年で一番の大雪」との声が聞かれます。街中ではスタックする車が相次ぎ、多くの人が押し出しを手伝う様子が見られます。

震災以降AARの支援を受けていた男性から、「屋根に積もっていた雪が落ちてきて、家の窓が圧迫されている。このままでは割れてしまいそうだ」との相談を受け、AARは除雪作業を手伝うなどの対応も行っています。

寝袋を抱える利用者と職員

冬物の防寒着を受け取った「なぎさ工房リブ」(羽咋市)の皆さん=2025年1月9日

能登半島地震で被災した人々が厳しい冬を乗り越えられるよう、AARは2024年10月から防寒着や冬物衣料を配付する支援を行っています。これまでに、障がい福祉施設や就労支援事業所18カ所で221着、技能実習生を含む外国人被災者に260着、避難所に身を寄せる方々に69着、七尾市地域支え合いセンターを通じて市内の仮設住宅入居者に1,160着の冬物衣料などを配付しました。

配付したのは、ビーズ株式会社(東大阪市)からご提供いただいた寝袋やダウンジャケット、また、ジャパン・プラットフォーム(JPF)を通じて株式会社ユニクロ(山口市)からご提供いただいた防寒肌着などです。

除雪作業をする人々

防寒着を着て除雪作業=2025年1月21日

障がい福祉事業所「なぎさ工房リブ」(石川県羽咋市)の施設長の田村志津子さんは、「この防寒着はとても暖かいです。今まで外での作業が辛かったけど、これがあれば助かります。また、ゆっくり手足を伸ばして寝られる寝袋ももらってありがたいです。次何かあった時に安心です」と話します。

障がい者への就労支援などを行う一般社団法人「つながり」の職員の方は、「地震の後、グループホームからここに避難された方もいたのですが、寝具や防寒着を十分に用意することができませんでした。今回提供してもらったものは防災用品としても使えるのでありがたいです」と話しました。

防寒着贈呈の様子

外国人被災者に防寒肌着を届けるAARの櫻井佑樹=2025年2月13日

2月には、能登町役場の協力を得て、同町に在住する外国人の方々を個別訪問して防寒肌着を届ける支援を行いました。その際、日本語があまり理解できず、地元のコミュニティに上手くなじめていない外国人被災者の方がおり、隣町での町役場でのサポートや日本語教室の案内につなげる、という対応も行いました。

AARは物資配付の際などに、生活状況や日々の困りごとなどの聞き取りを行い、必要な支援や次の災害発生時への備えへとつなげる活動も行っています。特に、外国人被災者は必要な情報を得ることが難しく、受けられるはずの支援が届きづらいといった状況に陥りやすいため、細やかな対応を行っています。

ユニクロからの贈呈品を手にしている

防寒肌着を受け取った外国人の方と能登町役場の方(左から2番目)、AAR櫻井佑樹(右)=2025年2月13日

3月が近づいていますが、能登地域では依然として厳しい寒さが続いています。AARは、被災された方々が安心して春を迎えることができるよう、地域に根差した支援活動を続けてまいります。引き続き、AARの能登地震被災者支援へのご協力をよろしくお願い申し上げます。

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