アフガニスタン東部で8月31日に発生した大地震は、山岳地帯のクナル県だけでも民家6,700棟以上が倒壊し、2,200人以上が死亡しました。道路が寸断されて救助活動が難航する中、AAR Japan[難民を助ける会]カブール事務所の現地職員が被災地に入り、緊急支援を開始しました。現地から報告します。

政府が用意した給水車に集まる被災者=アフガニスタン東部クナル県ヌルガル地区で2025年9月5日
首都カブールから9時間がかりでたどり着いたクナル県ヌルガル地区。伝統的な日干しれんがの家々は軒並み全壊し、山間部の集落は壊滅していました。住む場所を失った多くの村人が仮設テントに避難しているほか、大きな余震が断続的に続いているため、辛うじて倒壊を免れた家の住民も屋外で夜を過ごしています。

被災者が暮らすテント村
モハマド・サルディンさん(48歳)は「夜中に激しい揺れに襲われ、一瞬ですべてを失いました。家財道具はがれきに埋もれたまま掘り出すこともできません」と訴えます。「家族全員がひとつの小さなテントで避難生活をしていますが、夜はかなり気温が下がります。清潔な飲み水も食料も限られ、何も食べずに空腹のまま眠ることもあって、子どもたちは体調を崩してしまいました」

倒壊した日干しれんが造りの民家
過去数十年で最悪の地震被害と言われる今回の震災では、約8万4000人が影響を受けたとされ、1週間を経てようやく支援活動が本格化した現在も、特に飲み水の確保が困難になっています。被災地の復旧・復興はまったく見通せない状況です。
AARは近隣地域で食料や水、衛生用品などを調達して被災者に配付する準備を急いでいますが、道路が至る所で寸断されて支援物資の輸送も滞っており、実際に配付するにはまだ時間がかかりそうです。

被災地に向かう山岳地帯の道
必要な支援を確認するために被災者を訪ね歩くAAR現地職員に対し、モハマドさんは「私たちの声を聞いてくれてありがとうございます。日本の皆さんから届く支援に心から感謝します」と話します。
クナル県は隣接するパキスタンから強制送還された元難民の帰還者が多く、ただでさえ生活再建が困難を極める中で、今回の地震に見舞われました。すべてを失った多くの被災者が今、命をつなぐための支援を待っています。
AARのアフガニスタン東部地震緊急支援へのご協力をお願い申し上げます。
※この活動は皆さまからのご寄付に加え、ジャパン・プラットフォームの助成を受けて実施しています。



