活動レポート Report

住宅の修繕支援や避難所の運営を継続:台湾台風

2025年11月12日

台湾東部・花蓮県で今年9月23日に発生した洪水では、死者15人、負傷者約100人の被害が出ました。AAR Japan[難民を助ける会]は現在も、台北に本部がある現地協力団体「基督教芥菜種會」(The Mustard Seed Mission:MSM)を通じて、住宅修繕や避難所運営などの被災者支援を続けています。

現場でのミーティングの様子

被災したスーさんの家屋前で、復旧計画について話し合うMSMスタッフ=2025年10月

被災地では、7月に上流部で発生した地滑りで自然の堰止め湖が形成されており、その後、9月の台風18号の豪雨や暴風で湖が決壊し、鉄砲水が下流の光復郷(こうふくきょう)の街に流れ込みました。そのため、短時間で街の大部分が濁流に覆われる大惨事となりました。

MSMの支援を受けるスーさん(80歳)は、「障がいのある娘を一人で世話してきましたが、洪水で家が流され、家具や電化製品をすべて失いました。泥や岩に壁も壊されてしまい、今は親戚や友人の家を転々としています」と話します。

家屋の修繕支援と避難所の運営

多数の住宅や店舗が被災し、避難者は一時期約7,000人に上りました。土砂の除去がひと段落した10月下旬現在、MSMは独居高齢者世帯を中心に家屋の修繕支援を行っています。これまでに37戸で工事に着手しており、家屋のドアや窓、水回りの配管や電気配線など、さまざまな箇所が壊れた家屋の修繕を進めています。

また、避難所の運営も行っており、約40人が滞在しています。午前8時半から午後6時半まで職員が常駐し、医療や行政サービスについての情報提供や一人ひとりの状況に応じた生活支援(ケースマネジメント)を行っています。ほかに、避難所の子どもたちがお絵描きなどをして過ごすことができる「子ども広場」の運営や、避難所生活で疲れた高齢者のためのマッサージサービスの提供も行いました。

避難所での支援の様子

避難所で被災者の足マッサージを行うMSMスタッフ=2025年10月

旧正月までに家屋の復旧を

被害の大きかった地域では、道路や家屋の中まで堆積した土砂の除去に2~3週間かかりました。MSMは、SNSなどを通じてボランティアを募り、毎日、近隣の花蓮市や台東市から鉄道で通うボランティアの振り分けなどを調整。ボランティアが現場で集めた支援ニーズなどの情報を反映し、細かい砂や泥を除去できる高圧洗浄機を現場に投入したりするなど、ボランティアの皆さんと活動を行いました。

家屋清掃の様子

被災した家屋の清掃を行うボランティアの皆さん=花蓮県光復郷で2025年10月

MSMなどの支援団体は、来年2月の旧正月までに家屋や街の再建を終えることを目指して活動を続けています。旧正月(春節)は台湾で最も重要な祝祭期であり、家族が集い、新年を迎える特別な時期です。AARも、被災された方々が安心してこれまで通りの旧正月を迎えられるよう、現地協力団体MSMと連携しながら支援を続けていきます。

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