2025年8月31日にアフガニスタン東部で発生した地震では約2,000人が犠牲となり、1998年以降、同国で最も死者数の多い地震となりました。建物やインフラにも甚大な被害があり、50〜130万人が深刻な影響を受けていると推定されています。AAR Japan[難民を助ける会]は、被災地で支援物資の配付を続けています。

配付会場に食料を受け取りに来た視覚障がい者と家族=クナル県で2025年11月8日
視覚障がい者には白杖も提供
今回の食料や物資の配付は、視覚障がい者への生活支援などを行っている「アフガニスタン盲人協会」と連携して実施。同協会が地震後に行った視覚障がい者のニーズ調査をもとに、特に支援を急ぐ必要があると判断された51世帯を支援対象としました。
AARカブール事務所の現地スタッフは11月4日から3日間、クナル県、ナンガハール県、ラグマン県の対象世帯のうち、サンプル世帯を訪問した上で、地震後の生活の困難について聞き取り調査を行い、物資配付の日程や方法についても説明しました。その後、11月8〜10日に各地域の広場で、小麦粉や食用油、豆など2カ月分の食料、石けんのパック、毛布3枚を配付しました。また、視覚障がいのある方々には白杖も提供しました。

毛布や白杖を受け取った視覚障がい者の男性=クナル県で2025年11月8日
生きていくには支援が必要です
支援を受けた方の中には、紛争で使用された爆発物によって視力を失った方もいました。ナンガハール県のハイダーさん(25歳)は13歳のとき、道路を歩いていて爆発物を踏み、視覚と足を失いました。以来、兄弟のわずかな収入に頼って生活してきましたが、今回の地震で家を失い、生活はさらに困難になりました。

AARスタッフのインタビューに答えるハイダーさん(右)=ナンガハール県で2025年11月9日
「地震のあと、家族も仕事を失い、食料も住む家もありません。他の団体の支援では、障がい者世帯は対象から外れることが多く、私たちは親戚や村人に頼って生きるしかありませんでした」。冬を迎え、寒さは日ごとに厳しさを増す中、ハイダーさんは現在もテントで暮らしています。今回の支援について「配付もスムーズで、物資の質にもとても満足しています。これで冬を少し安心して過ごせます」と話してくれました。一方で、「食料や住まい、医療、仕事、教育など障がいのある人は支援を受けるのが難しく、行政からの配慮も不足しています。生きていくには継続した支援が必要です」と続けました。
被災地では、今も多くの人々が安全な家屋で暮らすことができず、テント生活を続けています。AARは今後も、女性が世帯主の家庭や障がい者のいる家庭など、約1,000世帯への食料配付行う予定です。アフガニスタン地震の被災者支援に引き続きご協力くださいますよう、重ねてお願い申し上げます。
※この活動は皆さまからのご寄付に加え、ジャパン・プラットフォームの助成を受けて実施しています。



