活動レポート Report

食料や衛生用品を配付:カンボジア国内避難民支援

2025年12月23日

タイ・カンボジア国境で激化した軍事衝突によって、両国合わせて70万人以上、カンボジア側では50万人以上が避難しています。AAR Japan[難民を助ける会]は長年活動するカンボジア側で国内避難民への緊急支援を開始し、非常食や衛生用品を届けています。

「政府軍兵士の息子(32歳)は前線で戦っています。戦闘が続いて食うや食わずらしく、とても心配です」。国境から60キロ余りのカンボジア西部ポーサット州の避難所で、スン・キアンさん(47歳)は不安な表情を見せました。

スン・キアンさん(右)から状況を聞き取るカンボジア駐在員の荒井大地=ポーサット州の避難所で2025年12月20日

両軍の戦闘が激しくなった12月8日、キアンさん夫婦は6人の子どもを連れて友人の車に乗せてもらって避難しました。「夫は息子を心配して国境方面に様子を見に行っていますが、爆撃の音が聞こえてとても危険だと言っています」。避難所ではコメや麺類が配給されますが、その他の食材は自分たちで買わなければなりません。

物資配布の様子

郡が配付した水や食料を運ぶ国内避難民

「発熱や下痢の症状が出ている人がいます。具合が悪い人はパゴダ(仏塔/寺院)の診療所に行きますが、薬が必要な場合は町の病院に行って買わなければなりません。夜は蚊が多く、しっかりしたテントがないと刺されて病気になってしまいます」。

パゴダの様子

多くのパゴダが避難所になっており、診療のほかに物資配付も行われている

南隣のコッコン州にある避難所では、ドン・ソーンさん(32歳)は「村から5キロほどの所で大きな爆発があり、家族5人と親戚でトゥクトゥク(三輪タクシー)に相乗りして2時間かけて避難して来ました」と話します。避難所では最低限の食料配給やシャワーはあるものの、「テントがなく床にマット1枚を敷いて寝ています。赤ちゃんがいるので病気が心配です」。それでも家族の安全が確保され、少し気持ちが落ち着いたようでした。

インタビューを受けるドン・ソーンさん(左)と子供たち

行政当局者によると、避難民の中には下肢などに障がいのある住民もおり、AARは障がい者や子ども、貧困世帯の支援に取り組む現地NGOとも協議して情報収集を進めています。食料や衛生用品に加えて、仮住まいのテントや子どもたちの学習用品のニーズが多く、これらを調達して届ける準備を急いでいます。

現地では多数の避難民が不安の中で支援を待っています。AARのカンボジア国内避難民緊急支援へのご協力をよろしくお願い申し上げます。

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