活動レポート Report

相次ぐ自然災害に多様な支援を提供:台湾

2026年2月20日

台湾では2024年から2025年にかけて各地で自然災害が相次ぎ、マグニチュード6以上の地震と大型台風被害がそれぞれ10回以上発生しました。AAR Japan[難民を助ける会]は、台北市に本部を置くNGO「基督教芥菜種會」(The Mustard Seed Mission:MSM)と連携して幅広い支援を実施し、その活動を終了しました。緊急支援チームの岡山典靖が報告します。

被災者とAAR岡山の写真

被災者の話を聞くAAR岡山典靖(右)=台南市で2025年9月

台湾各地で支援を展開

台湾東部花蓮県で2024年4月に起きた地震を受けて、AARはMSMと連携して緊急支援を開始しました。震災直後には避難所の運営や食料・生活物資の配付を実施し、その後は被災者が元の暮らしを取り戻せるよう、被災住居の点検や修繕、被災者の生計支援、カウンセリング、将来の災害に備えるための防災への取り組みなど、活動を広げていきました。

近年、複数の災害が同時、あるいは連続して発生する「複合災害」による被害がメディアで報じられることが増えています。台湾でも、地震によって地盤が緩んだ地域に台風が直撃することで、大規模な土砂崩れに発展するなど、各地で複合災害が起きていたと考えられています。MSMは緊急支援の開始当初は花蓮市と周辺地域で活動していましたが、その後台湾の各地で複合災害が発生したため、台東県や台南県にも支援地域を拡大していきました。

台南市では、地震で住居を失い、行政が提供する仮住居で暮らす高齢者世帯を支援しました。炊飯器などの生活家電を提供したほか、養鶏による卵の販売を通じて収入を得られる仕組みを整えるなど、生計再建に向けた取り組みを行いました。

長く連なって支援物資を運ぶMSMスタッフ

支援物資を運ぶMSMのスタッフら=花蓮県で2024年11月

「地方拠点」の強みを実感

台湾での災害支援は終了となりますが、MSMとの連携はAARにとって多くの学びを得る機会となりました。MSMは、平時から台湾各地に拠点を置き、地域に根ざした多様なコミュニティ支援を展開しています。そのため、例えば、仮住居の滞在期限を迎えた被災者が、退去後に生活を再建していく過程まで見据えた、長期的な支援が可能となりました。

さらに、支援物資が備蓄され、職員も常駐している地方拠点が整備されているなど、各地で迅速な災害対応ができる体制が構築されています。AARも佐賀県や石川県に事務所を構えていますが、こうした地域分散型の体制が災害対応力の強化に不可欠であることを、今回の連携を通じて改めて実感しました。

部屋全体に天井まで積まれた支援物資

支援物資が備蓄されているMSMの地方拠点=2025年9月

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岡山 典靖OKAYAMA Noriyasu緊急支援チーム

釣り好きが高じて国立大学水産学部で魚の生態を研究。バングラデシュ、ネパールなどで水産養殖業振興や農村開発に従事した後、2004年にAAR入職

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