さいたま市立大宮八幡中学校(小林正美校長)は、「地域・環境・人権」「国際理解・多文化共生」に視点を当てた学習活動を推進しています。3年生の国際教育学習会が11月30日、難民問題をテーマに開かれ、AAR Japan職員が出前授業を行いました。
今回の国際理解学習には3年生137人が参加し、事前に「難民とはどんな人たちなのか」「難民が抱える課題は何か」について自分たちで考える調べ学習に取り組みました。学習会では、各クラスから選ばれた4つのグループが「難民×仕事」「難民×国際救援活動」「難民×差別」「難民×医療」をテーマにパワーポイントを使ってそれぞれ発表しました。
このうち「難民と差別」のグループは、「難民について知らないことが差別の原因」「難民について知ることで人々の意識が変わるのではないか」と発表。他のグループは、自分たちに今できることとして「学校やコンビニでの募金」を提案し、「ある団体に毎月5,000円の寄付を1年間続けると、難民の家庭にテント1張を提供できる」などと具体的な事例を交えて説明しました。
続いてAAR東京事務局の中坪央暁が講演し、バングラデシュでロヒンギャ難民支援に従事した経験を基に、難民キャンプの現状、そこに暮らす人々の様子、NGOによる支援活動について、現地の写真を示しながら説明。「難民は私たちと関係のない存在ではなく、私たちと同じように普通に暮らしていた人たち。同じ時代に生きる私たちだからこそ、彼らに手を差し伸べることができる」と伝えました。
生徒代表からは「インターネットだけでは分からないことを講演で知ることができました。難民の人々は自分たちと同じ人間であること、私たちは恵まれた環境で暮らしていることに気付かされました。中学生にできることは限られていますが、まず難民のことを知って多くの人に伝えていきたいと思います」という感想が述べられました。
AARは世界14カ国で実施している「難民支援」「地雷・不発弾対策」「障がい者支援」「災害支援」「感染症対策/水・衛生」などの活動についての理解を促進するために、イベントや講演などの啓発活動に積極的に取り組んでいます。対面形式、オンライン形式どちらも実施しており、ご好評をいただいています。AARの国際理解教育・啓発プログラムをぜひご利用ください。