2022年2月に始まったロシアによるウクライナ軍事侵攻以降、ウクライナから700万人以上の人々が近隣諸国をはじめ世界中に避難し、日本には2,046人(11月23日現在)が避難しています。AAR Japan[難民を助ける会]は、姉妹団体の社会福祉法人さぽうと21(以下さぽうと)とともに、ウクライナ避難民をはじめ日本に逃れて来た難民・避難民の方々を対象とした「生活相談プログラム」の準備を進めています。
人道危機が続いているのはウクライナだけでなく、アフガニスタンでは2021年8月にタリバンが政権を奪取して以来、多くの人々が国外に逃れています。日本にも元留学生などが、かつて在学した大学や教員を頼りに避難して来ました。また、在アフガニスタン日本大使館や国際協力機構(JICA)の現地職員とその家族を含め、日本で退避生活を送るアフガニスタン人は800人を超えます。
こうした状況を受けて、AARとさぽうとは5月以降、母国の紛争・政情不安からの退避を目的として来日した難民・避難民の方々を対象とした「緊急退避者支援プログラム」を実施し、これまでに221人に緊急一時金をお渡ししました。その後、行政機関や他団体による支援金制度が拡充され、当会の一時金支給はいったん終了しています。しかし、難民・避難民のニーズがなったわけではなく、日本での生活が長期化することで、むしろこれからさまざまな課題に直面していくのは間違いありません。
AARとさぽうとは、こうしたニーズに応えるために引き続き支援を続ける方針です。さぽうとには、日本で暮らす難民や在日外国人を長年支援してきた経験と知見があり、これを生かして、生活相談プログラムを開始する準備を進めています。同プログラムでは、国・地方自治体だけでなく、他の団体や教育機関・企業などとも連携して、多様なニーズにワンストップで対応できる体制を整えてまいります。AARとさぽうとの来日避難民支援へのご理解・ご協力をお願い申し上げます。