トルコ南東部で2月6日に起きた大地震では、隣国シリアと合わせて5万人超の死亡が確認され、190万人余りがテントなどで避難生活を余儀なくされてます。AAR Japan[難民を助ける会]は食料や衛生用品、毛布などの配付を続けていますが、発生直後の混乱が収まるにつれ、被災者の生活再建に向けた課題も浮き彫りになっています。AAR緊急支援チームが現地から報告します。
無数の建物が倒壊したシャンルウルファ県都のシャンルウルファ市街では、救助活動が山場を越え、がれきの撤去作業が進められています。公園に仮設されたテント村に滞在する家族が徐々に減る一方で、最も被害が大きかった近隣のハタイ県、アディヤマン県などから避難して来た人々は、仮住まいする家探しに苦労しています。
トルコ在住のシリア難民の男性は、「トルコの人たちは親戚のところに身を寄せることもできるが、私たちは家を失って新たに住む場所を確保しなければなりません。しかし、多くの建物が壊れてしまった今、賃貸住宅はわずかしかなく、賃料はとんでもなく高騰しています。仕事を失って家族を養う手立てもありません」と訴えます。AARは地元自治体と連携し、困窮する個々の被災者を特定して支援につなげるシステムを構築中です。
シャンルウルファ市をはじめ被災地域の都市部では、行政当局が被災者の臨宿施設を運営するなど支援体制が整っていますが、遠隔の農村部には支援が行き届いていません。AARは先月末以降、アディヤマン県、カフラマンマラシュ県の農村部4カ所で食料、衛生用品の配付を行っています。
被災地では最初期の緊急物資配付だけでなく、人々の生活再建を念頭に置いたサポートが求められる段階に移りつつあります。AARのトルコ地震緊急支援へのご協力をよろしくお願い申し上げます。