東北地方を中心に未曽有の被害をもたらした東日本大震災(2011年)から12年。被災地ではインフラが整備され、避難していた住民の帰還が進む一方、なお多くの課題が残されています。AAR Japan[難民を助ける会]は発生直後の緊急支援に始まり、12年を経た現在も高齢者や子どもたち、障がい福祉施設などへの支援活動を続けています。
住民の交流イベント1,000回超
被災地では高齢化・過疎化が深刻な地域が少なくありません。住民が戻って来ない集落で生活再建を目指す人、故郷に戻れず避難先で新たな生活を始めた人……さらに、新型コロナウイルス感染拡大の影響で交流の機会が減る中、AARは住民同士がつながり、支え合える関係を築くお手伝いとして、さまざまな交流イベントを開催しています。このうち主に高齢者の方々を対象とした「地域みんなで元気になろう」プロジェクトは、2011年から現在まで1,000回以上実施しました。
→スタッフ日記「福島は今―東日本大震災12年」(大原真一郎)はこちら
元気いっぱい!福島の子どもたち
「うちの近くでは雪が降らないので、とっても楽しい!」「皆で力を合わせてベッドを作ったよ」――AARが2023年2月25~26日に福島県西会津町で開催した体験型イベント「ワクワク子ども塾」には、同県相馬市、浪江町、西会津町から46人の子どもと保護者が参加し、雪遊びや紙すき体験、和太鼓のほか、防災学習として段ボールベッド作りや炊き出しにチャレンジしました。
ワクワク子ども塾は原発事故による放射線の影響で、外遊びの機会が減った主に福島県東部の子どもたちにのびのび過ごしてもらおうと、震災翌年の2012年に始まりました。現在は県内の地域交流や震災の風化を防ぐことを目的として継続し、これまでに計33回開催、のべ992人の親子が参加しています。
震災から12年を経た今も、被災地では「心のケア」などの支援が求められています。AARはこれまでの活動を通じて培われた地域との信頼関係とつながりを生かして、引き続き支援に取り組んでまいります。皆さまの温かいご理解・ご協力をよろしくお願い申し上げます。