活動レポート
長引く軍事侵攻が生活難に追い打ち:ウクライナ現地報告
2024年9月18日
©AFP=時事
ウクライナは1991年に旧ソ連から独立したヨーロッパの国です。
2022年、ロシア軍がウクライナに侵攻し、多くの国民が家を追われて難民・国内避難民となりました。
第二次世界大戦後最悪とも言われる人道危機が続いています。
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面積 | 60万3,700平方キロメートル(日本の約1.6倍) |
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人口 | 4,159万人(クリミアを除く)(2021年:ウクライナ国家統計局) |
首都 | キーウ(キエフ) |
民族 | ウクライナ人(77.8%)、ロシア人(17.3%)、ベラルーシ人(0.6%)、モルドバ人、クリミア・タタール人、ユダヤ人等(2001年国勢調査) |
言語 | ウクライナ語(国家語)、その他ロシア語など |
宗教 | クライナ正教及び東方カトリック教。その他、ローマ・カトリック教、イスラム教、ユダヤ教など |
※出典:外務省ホームページ
ロシア軍による軍事侵攻によって、人口の約1/3にあたる国民が住み慣れた故郷からの避難を余儀なくされました※1。その半数以上は国内避難民として、ウクライナ西部などの比較的安全な地域に退避しています。長距離の移動が難しいために国内に残っている高齢者や障がい者もいます。また、国土の約40%が地雷や不発弾によって汚染されており※2、終戦後、難民・国内避難民が故郷に戻る際に大きな障壁となります。
1,300万人以上
難民・国内避難民の数は
1,360万人※1
250,000㎢
250,000平方キロメートル(国土の約40%)が
地雷・不発弾で汚染 ※2
ミコライウ、ヘルソン両州ではロシア軍によるミサイルや無人機による攻撃が続いています。安全な地域に避難できずに危険な地域に残り続ける人々がいます。AARは現地協力団体と連携して、自宅での生活を続ける高齢者や障がい者世帯に、食料配付や現金給付などの支援を行っています。
©THE HALO TRUST
ウクライナでは以前から地雷・不発弾による被害が多数報告されていました。さらに今回、軍事行動の一環としてロシア軍が道路沿いや農作地に地雷を埋設したことにより、多くの国民が危険にさらされています。AARは地雷除去を専門とする団体と協働して、地雷・不発弾対策の活動を行います。
人道危機においてもっとも深刻な影響を受けるのは、障がい者など普段から社会的な支援を必要としている方々です。AARはウクライナの障がい当事者団体と協働して、国内にとどまる障がい者への支援を行います。
2022年~2023年
食料や日用品の配付
ポーランドの修道会と協働して、食料や医薬品、衛生用品、子ども服などをウクライナに輸送し、修道院や近隣に避難している人々に配付しました。
「届いた発電機を見て涙が出ました」
ヴァレンティーナさん
軍事侵攻の影響で停電が続き、私たちの障がい者施設でも厳しい寒さの冬に暖房設備が使えない状況が続いていました。発電機は高額で、入手できず困っていたところにAARの支援で発電機が届き、見た途端に涙が出ました。発電機を受け取った他の高齢者施設、福祉施設の担当者たちも同じように泣きました。日本の皆さんの温かい支援に心から感謝しています。