AAR Japan[難民を助ける会]は2022年3月以降、ロシアの軍事侵攻を逃れたウクライナ難民・国内避難民の支援に取り組んでいます。当会の法人サポーターである徳島新聞社(池上治徳社長)は7月中旬、約11万人のウクライナ難民が暮らす隣国モルドバに記者を派遣し、侵攻開始から500日を経た現地情勢やAARの支援活動を取材しました。
現地取材に派遣されたのは同社編集局政経部の木下真寿美記者。7月10日に首都キシナウに到着し、AARモルドバ事務所代表のハリル・オスマン、駐在員の今野聖巳、東マリ子から概況説明を受けた後、早速取材を開始。難民流入の当初から滞在施設となっている大学の学生寮でウクライナの女性たちにインタビューしました。
翌11日にはAARが現地協力団体と開設したキシナウ市内のコミュニティセンターを訪れ、ウクライナ難民とモルドバ市民の交流促進に加えて、心のケアや医療支援などの相談を受け付ける新たな施設の役割について、関係者や利用者の声を取材しました。
13~15日はモルドバ北部に移動し、同国第2の都市バルティで現地NGOが運営する食料配給所を視察。ルーマニア国境に近いファレシュティの町では、AARが支援する子どもの活動施設を訪問し、ウクライナ・モルドバ双方の子どもたちが一緒に図画工作やダンス、ゲームを楽しむ様子を取材したほか、長引く避難生活について母親たちの思いを聞きました。
木下記者は「ウクライナ政府の方針で成人男性が原則出国できないのは承知していたが、実際にモルドバで会った難民は女性と子ども、高齢者ばかりで複雑な気持ちになった。ウクライナ危機は地元徳島にも食料品や建設資材の高騰などの影響をもたらしており、決して自分たちと無関係な出来事ではないことを実感した」と話しました。
現地発のレポートが徳島新聞(7月13日朝刊)で大きく報じられたほか、モルドバ報告の連載が近く予定されています。