日本三景のひとつ天橋立のたもとに建つ智恩寺(京都府宮津市/萩原一政住職)は、「智恵の文殊」として、多くの参拝客を集める臨済宗妙心寺派の名刹です。宗教法人智恩寺は昨年来、AAR Japan[難民を助ける会]のウクライナ人道支援活動にたくさんのご寄付をお寄せくださっています。AAR東京事務局兼関西担当(神戸駐在)の中坪央暁が同寺を訪ね、感謝状をお贈りしました。
松の緑が美しい境内で迎えてくださった新田良文事務長は、「ロシアによる軍事侵攻が始まった昨年2月、お寺として何らかの社会貢献をしなければと思いながらも、具体的に何ができるか分かりませんでした」。そんな時に目にしたのが、東隣の舞鶴市のラジオ局「FMまいづる」でAAR理事長の堀江良彰が寄付を呼びかけたという地元紙の記事。「『寄付は必ず現地で役立てる』という言葉に『これだ!』と共感し、萩原住職とも相談して、お参りに来られる方々に募金をお願いすることにしました」。
3月17日に智恩寺の中心である文殊堂に募金箱を置き、「難民を助ける会を通じて現地で役立てます」と明記した立札を掲げたところ、「予想を超えて多くの参拝者が次々に募金してくださいました。当初は3カ月か半年くらいのつもりでしたが、今なお軍事衝突が続き、寄付も途絶えることはありません」と話す新田事務長。「この事態が続く限り、募金箱を引き下げるわけにはいきません。皆さんのお気持ちをウクライナの人々に是非とも届けていただきたい」と、AARにエールを送ってくださいました。
天橋立と智恩寺一帯は、雪舟の水墨画「天橋立図」(国宝)にも描かれた丹後随一の聖地です。風光明媚なこの地の平和の祈りが遠くウクライナに届くことを願うとともに、智恩寺および参拝者の皆さまに心より御礼申し上げます。AARはいただいたご寄付をウクライナ難民・国内避難民支援に役立ててまいります。