電子部品メーカーのKOA株式会社(花形忠男社長/長野県箕輪町)から1月末、ウクライナ人道支援に役立ててほしいと、AAR Japan[難民を助ける会]にご寄付300万円をいただきました。同社は寄付に加え、地元・上伊那のバレーボールチームや高校と連携した地域ぐるみの支援活動として、チャリティグッズ制作・販売にも取り組んでいます。KOAの社員をはじめ、上伊那の皆さまのご協力に心より御礼申し上げます。
1940年創業のKOAは、電気回路に欠かせない抵抗器の売上で世界トップクラスのシェアを誇る電子部品メーカーです。地球規模の社会貢献を社是に掲げており、ロシアのウクライナ軍事侵攻が始まった2022年2月、向山孝一会長が「海外市場が売上の7割近くを占める当社として、世界の平和やビジネス環境を損なう行為は看過できない。日本もかつて悲惨な戦争を経験した。今起きていることは決して他人事ではなく、当事者として関与していく意識を社員にも地域の方々にも持っていただきたい」とウクライナ支援を即決し、社内にプロジェクトチームを設けて支援方法を検討してきました。
AARには「現地で活動する信頼できるNGO」として300万円をお寄せいただいたほか、長野県立伊那弥生ケ丘高校(松村明校長/伊那市)と協力して、生徒が自分たちでデザインしたトートバックやバケットハットを制作。バレーボールリーグのVC長野トライデンツ(南箕輪村)の試合会場で販売し、売上をウクライナ支援に充てる計画です。向山浩正取締役は「地域社会への貢献を基本とする当社は、ウクライナ支援でも地元のステークホルダーと連携したいと考え、皆で知恵を出し合いました」と説明します。同社は近隣の高森町に滞在するウクライナ避難民の親子にエアコンを提供するなど、さまざまな支援を続けています。
伊那弥生ケ丘高校で出前授業
同社の地域連携の一環として、伊那弥生ケ丘高校で2月2日、AAR東京事務局の中坪央暁が1年生の探求学習の授業で「ウクライナ人道危機の現場~私たちに今できること」と題して講演。この1月に厳冬期のウクライナを訪問したばかりの中坪は、首都キーウや近郊で撮影した動画・写真を見せながら、危機発生から間もなく1年を迎える現地の様子、人々の表情、AARの支援活動を紹介しました。
生徒からは「ニュースで見るのとは違うリアルな状況を知ることができた」「ウクライナの人々が平穏な日常を取り戻そうとしている姿に共感した」「私たち高校生にも何かできることがあると思った」などの感想が寄せられたほか、「この事態はいつまで続くのか」という本質的な質問もありました。
AAR Japanは今回いただいたご寄付を、ウクライナの障がい者団体や国内避難民、隣国モルドバに滞在する難民への支援などに着実に生かしてまいります。
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