7月10日から続いた記録的な大雨により日本海側の広い範囲で被害があり、特に九州地方と東北地方では各地で川の氾濫や土砂崩れが起こるなど、大きな災害となっています。AAR Japan[難民を助ける会]は、12日から福岡県、19日からは秋田県で緊急支援を行っています。
福岡県:1週間で2,000食の炊き出し
九州地方では7月10日の大雨により、河川の氾濫、土砂災害などの被害が発生しました。AARは12日、福岡県久留米市での物資配付から緊急支援に着手し、13日には炊き出しを開始しました。
炊き出しは、避難所となっている久留米市竹野小学校で認定NPO法人ピースプロジェクトとともに実施。小学校に避難している方や周辺の自宅で在宅避難を続ける方に届けました。また、浸水によって炊事場が使えなくなった障がい者福祉施設の利用者や職員の方々にも食事を届け、13日から19日までの1週間に合計2,000食を提供しました。
猛暑が続く中、避難所での生活を続ける高齢の方は「動いていないからお腹は空いていないけど、薬を飲むためにも何かを食べないと」と話します。水で冷やした素麺を氷が入った冷たい麺つゆとともに提供し、食欲がない方にも栄養をつけてもらいました。
最終日に提供したうな丼は、配付開始直後に初回分がなくなるほどの盛況ぶりでした。「初めてうなぎを食べたけど、とっても美味しい」と話すお子さんもいるなどうな丼は大人だけでなく子どもにも好評で、避難所の体育館にはにぎやかな声が溢れました。
秋田県:福祉施設に掃除用具などを提供
大雨の影響で浸水や断水などの被害があった秋田県には、19日にAAR緊急支援チームが入り、支援を開始しました。県内の障がい者施設には、土砂崩れのために半ば孤立しているところや断水が続いているところもあり、AARは障がい者施設の連絡会である「きょうされん」の秋田支部と連携して支援を行っています。
障がい者の生活介護や就労継続支援などを行う社会福祉法人一羊会では、利用者さんの自宅の多くで浸水被害がありました。一羊会の澤田修明代表は「50年秋田に住んでいるが、ここまでひどい被害は初めて」と話します。AARは浸水した施設の掃除に使う高圧洗浄機や扇風機などの機材と、バケツやモップの掃除用具を支援しました。
AARは他にも、秋田市内で支援物資の配付を行っています。秋田市の複合施設を利用して災害支援拠点を立ち上げた東海林諭宣さんは、AARから背の低い大型扇風機の支援を受け取り、「床上浸水した平屋で生活している高齢のご夫婦がいらして、一刻も早く対応する必要がありました。床板を剥がして流れ込んだヘドロをかき出した後、この扇風機を使って乾燥させます。AARさんの迅速な支援に感謝しています」と話しました。
「町では500世帯が被災しているようですが、現場は混乱していて正確な数は分かりません」と、長く断水が続いた五城目町の社協ボランティアセンター加藤事務局長は話します。「交通手段がない高齢者の見守りを含めた炊き出しなどがあればありがたい」との声もあり、夏の暑さを取り戻した被災地では今もまだ多くの支援が必要とされています。
AARは福岡県、秋田県での緊急支援を継続して行います。ご協力くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
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