発生から1週間が過ぎた能登半島地震の被災地では、雪が降る厳しい寒さの中、石川県内だけで2万8,000人以上の被災者の方々が避難所に身を寄せ、あるいは在宅避難を余儀なくされています。AAR Japan[難民を助ける会]の緊急支援チームは同県輪島市、珠洲市で炊き出しを行っているほか、県内各地の障がい者施設に支援物資を届けています。
激しい揺れと大火事で甚大な被害を受けた輪島市街に入ると、観光名所「朝市通り」一帯は焼け焦げたにおいが漂っていました。AARは東本願寺ボランティアチームと協力して6日終日、近隣住民が集まっている浄明寺、ふれあい健康センター、鳳至公民館、大屋公民館でそれぞれ炊き出しを実施し、カレーライス700食、肉じゃが300食などを提供しました。炊き出しを受け取った方々からは「震災から1週間、心身ともに疲れ切っています。冷え込む中で温かい食事は本当にありがたいです」との声が寄せられています。
珠洲市立若山小学校には近隣の避難所と合わせて約370人が避難しており、AARはパートナーの認定NPO法人ピースプロジェクト(代表:加藤勉AAR理事)と協力して、全員に行き渡るようにチャーハンと水餃子370人食を提供しました。6日にようやく電力が復旧した避難所では、高齢者の姿が目立ちます。避難者の皆さんに毎回、雪が降る屋外テントでの調理・配膳を手伝っていただいており、両親と3人暮らしの女性は「自宅は倒壊しなかったものの、電気や水道が復旧しておらず、いつ帰宅できるか分かりません。お互いに助け合って、この状況を乗り切るしかないと思います」と話します。
AAR緊急支援チームは隣接する富山県内で食材や支援物資を調達し、激しく損壊した幹線道路を片道4~5時間かけて往復しながら支援に取り組んでおり、避難所に食材を届けて被災者の皆さんに調理・配膳や片付けをお願いする場合もあります。そんな時も必ず「遠くから支援を届けてくれてありがとう。私たちも頑張ります」との声をいただきます。
また、AARは多くの企業・団体や現地関係者と連携して支援活動を行っています。当会のパートナーであるモンベル(大阪市)、フェリシモ(神戸市)、エクセルシア(東京都)などからご提供いただいた非常用トイレや衛生用品も被災地に次々と届いています。
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