能登半島地震の発生から10日が経ち、今も多くの被災者の方々が避難所などで不自由な生活を余儀なくされています。AAR Japan[難民を助ける会]の緊急支援チームは炊き出しや外国人被災者への支援のほか、障がい者施設や避難所に衛生用品などを配付する活動を行っています。
「避難所には高齢の方が多いので、健康状態が悪化したりしないか心配です。トイレをこまめに掃除するなど、できる限りきれいにしているのですが、利用者が多く、どうしても汚れてしまいます。ノロウイルスなどを防ぐための消毒もできず、感染が広まったりしないか不安です」。石川県輪島市港コミュニティセンターに設けられた避難所で対応にあたる女性は話します。
石川県内では200人を超す方々が亡くなり、そのうち8人は地震・津波による直接的な被害ではなく、避難生活で病気が悪化したり体調を崩したりして亡くなる「災害関連死」とされています。能登半島地震の被災地では特に高齢者が多く、避難生活が長引くことで災害関連死が増えることが懸念されています。
能登町役場には要援護者用のスペースが設けられ、診察が受けられるようになっています。診察の順番を待つ人々はやはり高齢者の割合が高く、治療を続けながら避難生活を送る人も少なくありません。同町役場の男性職員は「被災された皆さんは明らかに疲弊してきています。着の身着のまま避難し、ずっと髪を洗っていない様子の方も見られます」と話し、避難者の健康や衛生状態の悪化を気にかけています。「インフルエンザが流行し始めているようです。幸い近隣の病院が稼働しているので、協力してもらっているのですが、ひとつの空間に大勢の避難者が身を寄せ合う避難所で感染が拡大しないか不安です」。
AARは衛生用品や下着のほか、パートナーであるモンベル(大阪市)、フェリシモ(神戸市)、エクセルシア(東京都)などからご提供いただいた体拭きタオルや水のいらないシャンプー、非常用の携帯トイレと小型テントなどを届けていますが、ニーズは膨大で支援がまだまだ足りていません。引き続き、企業や支援者の皆さまのご協力を得て、避難所や障がい者・高齢者施設への支援に取り組んでまいります。
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