能登半島地震の発生から1カ月余り、AAR Japan[難民を助ける会]は厳しい寒さの中で避難生活を続ける被災者の皆さんへの炊き出しや洗濯機などの提供、出張マッサージといった支援に切れ目なく取り組んでいます。現場からのレポートです。
「凍るような冷たい沢の水で下着を洗ったこともある」「金沢のコインランドリーまで往復7時間かけて洗濯に通っていたんだよ」――。市街地から離れた山間にある石川県輪島市町野町の若桑集会所は、高齢者を中心に在宅避難を続ける近隣住民が支援物資を受け取る拠りどころになっています。AARは食料や衛生用品などを届けていますが、このほど強い要望があった洗濯機を提供しました。
この地区には自衛隊による給水があり、電気も通っているので洗濯機が使えます。住民の女性は「1カ月間、本当につらかった。これだけでもずいぶん助かります」とホッとした表情でした。また、近隣の別の地区からも「使わせてほしい」との話があり、少しでも多くの方々にご利用いただきたいと考えます。
1月末から実施している鍼灸マッサージ師、理学療法士による出張マッサージも好評です。2月3~4日には、リハビリを専門とするAAR理事の河野眞・国際医療福祉大学教授らが被災地に入り、若桑公民館や能登町の白丸公民館などでマッサージの施術を行い、ご高齢の皆さんから「身体が固まっていたので楽になった」との声が聞かれました。
震災発生直後から実施している炊き出しも、パートナーのNPO法人ピースプロジェクト(代表:加藤勉AAR理事)をはじめ、他団体と連携して輪島市、珠洲市などの避難所で続けています。炊き出しのニーズは引き続き多く、AARは2月から輪島市内のレストランのシェフら有志グループによる炊き出しを資金面でサポートしているほか、炊き出し支援が途切れることがないように、地元関係者や他団体と日々調整を重ねています。
被災地では行政が対応しきれない要望も多く、AARは「お風呂車両」の運行、飲料水・生活用水の供給などの準備を急いでいます。AARの能登半島地震緊急支援へのご協力を重ねてお願い申し上げます。
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