能登半島地震で最大震度7を観測した石川県志賀町は、住宅約5,800棟が全半壊(一部損壊含む)する大きな被害を受けました。同町では仮設住宅の建設が進められており、AAR Japan[難民を助ける会]は入居者に家電製品や生活用品を提供するほか、自主避難所などへの支援を準備しています。
能登半島西岸に位置する志賀町を車で走ると、道路沿いに1階部分が押しつぶされた民家、全壊した古い寺院が手の付けようもなく放置され、被害の深刻さを物語っています。同町は人口1万8,000人余り、町内には北陸電力の志賀原発(停止中)があります。震災で5歳男児を含む2人が亡くなり、建物や道路などが激しく損壊しましたが、輪島市や珠洲市など他の市町と比べてメディアの報道が多いとは言えません。
約100人が暮らす志賀町東小室地区(旧富来町)では、何軒もの民家や土蔵が全半壊しました。地区長の長根尾修さん(68歳)は「正月で娘や孫たちも帰省していた時に地震が起きました。津波警報が出たので近隣住民に高台への避難を呼びかけ、1日は地元の福祉施設に集まって一夜を過ごして、2日から集会所を自主避難所として最大時35人を収容しました。高齢者が多い地区ですが、人的被害がなかったことは本当に良かったと思います」と話します。幸い電気は止まらず、水道も約2週間で復旧しました。
当初避難した被災者は自宅に戻ったり親戚宅に移ったりして、集会所に寝泊まりしているのは現在15人ほど。近隣の指定避難所(防災センター)に行政から届く食事をまとめて受け取りに行き、朝はパン、昼はおにぎり、夜は弁当などが提供されるほか、住民同士が持ち寄る野菜、鮮魚などで副菜や汁物を作って分け合っています。他方、在宅避難者には公的支援が行き届いていないなど課題も少なくありません。
志賀町では海岸寄りの旧富来町エリア3カ所でプレハブ、トレーラーハウスの仮設住宅97棟が建設されています。しかし、入居希望に対して軒数は充分ではなく、長根尾さんは「東小室を含むこの地域にも仮設住宅20棟を設けてもらえるように要望しています。行政には志賀町の復興・再建の道筋をしっかり示してほしい」と言います。
AAR支援チームは志賀町など関係者と協議し、支援ニーズを把握したうえで、仮設住宅入居者に家電や生活用品を提供するとともに、自主避難所や在宅避難者、地域の障がい福祉施設への支援を準備しています。引き続き、AARの能登半島地震被災者支援へのご協力をよろしくお願い申し上げます。
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