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活動レポート Report

水浸しの居住地で暮らすエチオピア難民

2021年8月17日

藁仕立てのような居住スペースで、ゴザを敷いた地面に座り女性の話を聞くAARスタッフ

トゥナイバ難民居住地で暮らすメブリットさん(右)から話を聞くAAR現地職員=8月10日

エチオピア北部ティグレ州で2020年11月に発生した政府軍と武装勢力の衝突によって、大量の避難民が発生し、そのうち6万人超が隣接するスーダン東部に流入しています。難民居住地は衛生環境が整っておらず、新型コロナウイルスの感染拡大も懸念される中、AAR Japan[難民を助ける会]は現地協力団体と連携して、給水タンクの設置など水衛生環境を改善する支援活動を進めています。

一帯が水浸しで泥も混ざり、徒歩などでの移動のしにくさがうかがえる

雨季で水浸しになったトゥナイバ難民居住地=7月13日

スーダン周辺の地図 エチオピアは、スーダンの南東に位置する
スーダン・カダーレフ州に新設されたトゥナイバ難民居住地では、現在約8,800世帯・1万9,500人が避難生活を送っています。水はけが極端に悪いため、雨季の風雨でテントがつぶれたり、冠水によって屋外のトイレが使えなくなったりと衛生状態は劣悪です。コロナ感染の懸念に加えて、最近はE型肝炎の発生も報告されています。AARは、 1)衛生用品(マスク、石けん、ゴミ箱、蚊帳など)の配付、 2)衛生設備(給水タンク40基、手洗い場30基)を設置、 3)衛生啓発活動(コロナ対策を含めた衛生面の注意事項の啓発)を近々開始する準備として、難民からの聞き取り調査を行っています。

トゥナイバ難民居住地の難民の声を紹介します。

メブリットさん(31歳・女性)
私たちはスーダンとの国境近くの町に住んでいました。昨年11月のある夜、空襲が突然始まり、8歳と1歳の娘二人を抱えて、夫とともに国境を越えました。とっさのことで両親を連れて来られず、町に残したままです。スーダン国境警備隊に保護され、簡易テントで2カ月ほど過ごした後、トゥナイバ難民居住地に移されました。

私は教師、夫は農業をしていましたが、ここでは家事をして過ごすだけです。居住地にある女性センターで刺しゅうや縫物のコースに時々参加することもあります。エチオピアでは仕事もあって生活は快適でした。紛争が終わって平和が訪れれば母国に戻りたいと思いますが、安全が確保されないのであれば、スーダンに残るしかありませんね。

ビルハンさん(30歳・男性)
本当に突然のことでした。朝起きたら紛争が起きていて、家族と一緒にスーダンへ逃げるしかありませんでした。ティグレに残っても地獄のような日々が待っているだけですから。飲まず食わずに国境を越える途中、道端に倒れている人をたくさん見ました。

居住地では支援団体の手伝いをしたり、感染症予防や衛生啓発活動がある時は家族の健康のために参加したりしています。ここは水浸しで衛生状態がとても悪いですからね。働くこともできず、食事も満足にできない生活は決して良いものではありません。知り合いとエチオピアの様子について情報交換したり、自分たちの将来について話したりしています。もちろん帰れるものなら早く帰りたいですよ。

ゴザに座り彼の話を聞くAAR職員

ビルハンさん(左)=8月4日

ダナットさん(18歳・女性)
朝5時に爆撃の音で飛び起きて、両親と一緒に国境に向かいました。避難する人々の中には子どもや女性、お年寄りもいて、捕まって殺されたり、性的被害を受けたりするのではないかという恐怖で押しつぶされそうでした。国境にたどり着いてスーダン国境警備隊に保護されました。

ここでは他の女性たちと同じように、家族のために家事をしたり、女性センターに行ったりしています。ティグレと違って難民居住地は安全ですが、平和が戻るのであれば家に帰りたいです。これまでに多くの人々の死や暴力、住み慣れた場所から逃れざるを得ない状況を目の当たりにして、未来の世代に平和を創って残さなければならないという責任も感じるようになりました。

ゴザに座って彼女の話を聞くAAR職員

ダナットさん(右)=8月10日

今回の武力衝突は、少数民族ティグレ人が多数派を占めるティグレ州政府と、最大民族オロモ人のアビー首相が率いる連邦政府の対立に端を発し、連邦政府軍と州政府軍の戦闘に「ティグレ人民解放戦線」(TPLF)が加わって混乱が続いています。

AARはスーダンで水衛生改善や感染症対策で支援事業を行ってきた実績があります。そうした知見とネットワークを生かして、エチオピア難民支援に取り組んでまいります。AARの難民支援活動への皆さまのご理解・ご協力をよろしくお願い申し上げます。

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