AAR Japan[難民を助ける会]は「世界難民の日」(6月20日)に寄せて、6月15日(土)にトークイベント「私たちは忘れられている」を開催し、会場(ネットワンイノベーションセンター:東京都品川区)とオンラインを合わせて全国から200人余りの方々にご参加いただきました。今年2月にウガンダの難民居住地を訪ねた俳優サヘル・ローズさん、ロヒンギャ難民やアフガニスタン難民支援に携わるAAR職員の報告を通じて、アジア・アフリカの「忘れられた難民」について皆さんと一緒に考えました。
サヘル・ローズさんは、コンゴ民主共和国からの難民が暮らすウガンダ西部の難民居住地で自ら撮影した写真を見せながら「これまでアフリカの難民のことはほとんど何も知らなかった。初めてアフリカ大陸の国ウガンダを訪れて、子どもに満足に教育を受けさせられない難民の実情に衝撃を受けた」と語り、「メディアで報道されない、でも現在進行形である難民問題にも私たちは目を向けて行く必要がある」と呼び掛けました。
AARの中坪央暁、鶴岡友美はそれぞれロヒンギャ難民、アフガニスタン難民の現状について報告。中坪は「2017年のミャンマー国軍による無差別弾圧を逃れ、隣国バングラデシュには現在100万人超のロヒンギャ難民が滞留している。ミャンマーへの帰還が遠のく中、ウクライナ危機などのあおりで支援が先細り、難民キャンプでは絶望感が広がっている」。鶴岡は「アフガニスタンは世界でもっとも多くの難民を生んでいる国のひとつ。昨年10月、隣国パキスタンがアフガン難民に実質的な強制退去命令を出したため、60万人の帰還民への支援が急務になっている」と説明しました。
柴田裕子・緊急人道支援学会理事の司会で行われたトークセッションでは、会場から「同じ難民問題に優先順位がつけられてしまうのはなぜか」「紛争が終結した国に難民が帰還できないケースがある理由をしりたい」などの質問やコメントが寄せられ、ウクライナやガザの人道危機に国際社会の関心が集中する中、解決されないまま忘れられつつある難民問題への理解を共有しました。
今回のイベントは、ネットワンシステムズ株式会社(東京都)、サヘルさんが所属する株式会社エクセリング(東京都)の協力で開催されました。両社およびご参加いただいた皆さまに心より御礼申し上げます。
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