記録的な大雨の被害を受けた石川県能登地域で、AAR Japan[難民を助ける会]は被災地域に住む外国人居住者への食料支援を開始しました。言葉の問題などで情報や支援が届きにくく、不安を抱える技能実習生に食料や飲料水を届けるとともに、当面必要とされる支援について聞き取りました。
「寮の前は雨水がひざ下ぐらいの深さまで来て、びっくりしました」「ひどい雨だったけど、日本人の船長が心配して様子を見にきてくれて、少しだけ安心しました」――。被災時の様子を口々に語るのは、能登半島の先端部に位置する珠洲市の蛸島漁港のインドネシア人の漁業技能実習生です。9月23日午後、AAR職員が支援物資を携えて訪ねると、ほっとした表情を見せました。
この寮では現在、17人の実習生が生活しています。今のところ、電気は使用できていますが、水道水は時々臭いがしたり、濁ったりすると言います。大雨の影響で上流のダムに被害が出た可能性があり、今後断水の可能性が高いとして、行政放送で節水が呼びかけられています。また、漁再開の見通しもまだ立っていません。漁港近くを流れる川には、大量の流木など大雨被害の跡が生々しく残っていました。
AARは当面必要なものとして、ペットボトル入り飲料水(計120リットル)、タイのインスタントラーメン190食、乾麺(フォー5袋、タイビーフン10袋)、体拭きシート19個を届けました。実習生たちはたくましい腕で荷物を下ろすのを手伝い、インスタントラーメンには「そうそう、これが欲しかった」と笑顔を見せました。
周辺は浸水した地域が多く、雨が激しくなりだしたころから通信環境が乱れて、インターネットがつながりにくいままだと言います。災害関連情報を手に入れたり、故郷の家族と連絡を取ったりするためにインターネットは必需品ですが、接続しにくい状態に不安が募っています。AARは地元自治体や国際交流団体の関係者と連絡を取り合い、被災地の外国人が断水などの防災情報から取り残されることがないよう支援しています。
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