9月に発生した能登半島大雨から1カ月。1月の地震に続く「二重災害」に見舞われた石川県能登地方には、技能実習生など多くの在留外国人が暮らしています。AAR Japan[難民を助ける会]は10月20日、被災した在留外国人に心と体をリフレッシュしてもらおうと、地域の特産物「ところてん作り」や「りんご狩り」の体験イベントを七尾市国際交流協会と開催しました。
今回のイベントには、中国やベトナムからの技能実習生11人、米国やカナダのALT(外国語指導助手)7人、七尾市役所や七尾市国際交流協会の職員らが参加しました。七尾湾に浮かぶ能登島の地域団体「ねねの会」の協力で実施した「ところてん作り」では、地元で採れた天草を煮るところから始まり、型に入れて固めて切り分け、天突きで押し出す作業を体験。他にゴマ、きなこ、あんこのおはぎも作り、昼食と一緒に全員で味わいました。
午後からは同じく能登島にある野口農園で、石川県のブランドりんご「秋星(しゅうせい)」の収穫に挑戦しました。初めてのりんご狩りに参加者は少し興奮気味で、笑顔で記念写真を撮り合う姿も。最後は芝生の広場で、震災時の体験などを話し合いました。
参加者からは「普段は地域のことを体験する機会がないので、今日はすごく楽しかった」(中国人技能実習生)という声のほか、「地震発生後は避難所に1週間近くいましたが、地震が怖くて緊張し、イライラしていました。今でも不安です」と打ち明ける人も。ベトナム人技能実習生は「地震の時は避難所には行かずに会社の寮にいました。食べ物はあったけれど、水がなくなってしまいました。地域の人との交流はほとんどないので、防災の知識や避難所について教えてほしい」と話しました。
在留外国人は一般に職場以外で日本人と付き合う機会が少なく、能登の災害時も避難所などの情報を得られずに孤立したり、支援を受けにくかったりする傾向が見られました。今回の体験イベントは、七尾市や同市国際交流協会などと在留外国人のネットワークを強化し、今後の防災に役立てる目的もあり、11月10日により多くの参加を呼び掛けてもう一度開催する予定です。AARの能登半島地震・大雨被災者支援へのご協力を重ねてお願い申し上げます。
ご支援のお願い
被災者緊急支援への
ご協力をよろしくお願い申し上げます。
※ご寄付の使途は「能登半島地震緊急支援」をお選びください。
地震および大雨で被災した方々への支援に使わせていただきます。
※AARは東京都により認定NPO法人として認定されており、ご寄付は寄付金控除の対象となります。