活動レポート Report

雨季が迫る中 被災者の生活再建支援を急ぐ:ミャンマー地震

2025年5月20日

ミャンマー中部で3月28日に発生した大地震から1カ月半が経ちました。被災地では復旧作業が遅れており、人々は屋外での避難生活を余儀なくされるなど厳しい状況が続いています。AAR Japan[難民を助ける会]は現地協力団体と連携して緊急支援物資を配付するとともに、この間に現地で聞き取り調査した支援ニーズを踏まえて、今月下旬から改めて物資配付を行う準備を進めています。現地からの報告です。

被災者インタビューをするAAR職員

AAR職員(右)の聞き取りに答える被災者の女性。奥の住宅は外壁が全て崩落し、骨組みだけになった=ミャンマー中部ザガイン

「地震の前は別々に暮らしていましたが、今は親族15人が身を寄せ合って、屋外で避難生活を送っています。雨季が始まる前に家を修繕したいのですが、家族の収入も途絶えて、全く先が見えません」。被災者が集まるマンダレー市内の「避難キャンプ」で、履物まで失って裸足で暮らしている女性のソーさん(仮名・30歳)は、疲れ果てた表情で話しました。

ソーさんを含め、被災者の多くがシートや廃材などで仮設したテントで生活しています。AARの聞き取り調査では、被災者の約4割が失業状態にあり、3割は国連機関やNGOなどからの支援だけに依存していることが確認されました。どんな支援が必要かとの問いには、食料や飲料水、医薬品、マットなどのほか、「雨季になると衛生状態が悪くなるので石けんや歯ブラシなどの衛生用品を配ってほしい」「停電対策としてソーラーライトがあると助かる」などの要望がありました。また、「家を建て直すには現金が必要」などとして、物資配付に加えて現金給付による支援を望む被災者が8割に上ります。

簡易テントでの生活の様子

損壊した自宅前に設けられた簡易テント。シートの屋根の下にベッドが置かれている

言うまでもなく、自宅の再建や修繕は急務で、調査対象の約8割が「コミュニティを立て直すには住宅再建が不可欠」と回答しています。当地の住宅の多くはレンガ造りですが、レンガや木材などの建設資材に加えて、電気や水道を整えるためには多額の費用がかかります。被災地一帯ではそもそも必要とされる資機材が調達できず、復興への道のりは依然として見通せないのが実情です。

瓦礫撤去作業中の被災者

倒壊した建物のがれきを撤去する被災者

被災者の中には、商売や農業などの仕事を再開して自力での生活再建を目指す人たちがいる一方で、自宅や仕事を失って困窮し、震災のトラウマや余震への恐怖に悩まされている人たちも少なくありません。AARは聞き取り調査の結果を踏まえ、5月下旬から衛生用品やソーラーライトなどを配付するとともに、本格的な復旧・復興を目指して、被災者に寄り添った支援を継続してまいります。

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