AAR Japan[難民を助ける会]は、10月16日にオンラインシンポジウム「地雷被害が続くウクライナ~日本は何をすべきか」を開催し、多数の皆さんにご参加いただきました。

登壇者:左上から時計回りに浅田義教 JICA専門家、AAR会長 長有紀枝、AARウクライナ事業担当 オレーナ・マニブ、AAR地雷対策担当 紺野誠二(2025年10月16日)
冒頭のAAR理事長堀江良彰のあいさつに続き、AAR会長の長有紀枝が、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻後、周辺諸国の一部が対人地雷禁止条約からの脱退を決め、ウクライナも脱退に向けて動き出した状況について報告しました。
続いて、地雷対策を担当している紺野誠二が、ウクライナでの地雷の被害状況と地雷対策について報告。「ウクライナの地雷汚染地域は広範囲に広がっており、地雷除去を完了するには30年から40年はかかると思う。根気よく地雷除去を続けるとともに、地雷被害者への支援も重要」と話しました。
浅田義教JICA専門家は、ご自身が携わるカンボジア(第三国)を介したウクライナの地雷対策支援について、「日本とカンボジアが連携し、これまで培ったカンボジアでの地雷対策の経験と知見を活かして、ウクライナの地雷対策支援を実施することは、日本ならではの試みだ」と説明。ウクライナ事業担当オレーナ・マニブからは、AARがウクライナ国内で実施してきた食料配付や現金給付、障がい者支援、地雷と不発弾被害者支援について説明しました。
最後のパネルディスカッションでは、事前に寄せられた「ウクライナが対人地雷禁止条約から離脱した経緯は?」「新たな地雷が埋設されている状況で、地雷除去を進めていることについてどのように考えているか」などの質問にそって、ウクライナの地雷問題と日本の役割について議論が展開されました。
地雷が埋設されて一番困るのは、結局はその土地に暮らすウクライナの人たちであり、厳しい状況ではあるが地雷除去は続けなければならず、日本はウクライナの人たちに心を寄せ、忘れないで支援を続ける必要があるという方向性を共有して、議論を締めくくりました。
ご参加いただいた皆さんに心より感謝いたします。AARは引き続き、ウクライナにおいて、地雷対策や地雷被害者支援を実施してまいります。今後ともAARのウクライナ人道支援にご協力のほどお願いいたします。


