中東情勢の急激な悪化により、レバノンでは多くの人々が厳しい環境での避難生活を余儀なくされています。AAR Japan[難民を助ける会]は現地協力団体とともに、国内避難民への食料支援を続けています。

避難所に食料を届ける協力団体のスタッフ=レバノン・山岳レバノン県で2026年3月13日
イスラエル軍はレバノン南部で地上侵攻を進め、首都ベイルートでは空爆が続いています。国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、これまでに1,039人もの人々が犠牲となっています(3月23日時点)。また、人口の約19%にあたる100万人以上が各地への避難を余儀なくされており、複数回にわたって避難を繰り返す家族も少なくありません。戦闘地域は急速に拡大しており、避難命令が出された地域は国土の約14%に達しています。
レバノン政府は各地に避難所を開設していますが、多くの避難所がすでに収容能力の限界に達しています。路上や仮設テントでの生活を強いられている人々も多くいます。 安全な水や衛生用品なども不足しており、生活環境の悪化に加えて感染症などの増大も懸念されています。さらに、医療施設を含むインフラも攻撃を受けており、市民の不安は一層高まっています。
そうした状況の中、AARは国内避難民となった人々に、栄養や食習慣に配慮した調理済みの食品を届ける支援を続けています。食品は、衛生状態や温度、保存の管理が徹底された、現地協力団体ShareQの食品加工施設で製造されており、安全性が保たれています。

衛生管理の行き届いた加工施設で製造・加工された食料=2026年3月13日
2024年にAARとShareQが緊急支援を開始した当時は、治安状況が今よりも落ち着いており、遠方の施設まで食料を届けることができました。しかし、情勢が急激に悪化した今は、移動の危険性が高まっており、スタッフの安全を最優先にして食料を届けています。
多くの人々が身を寄せる避難所では、混乱を防ぐために立ち入りが制限されています。AARとShareQは避難所の管理者と緊密に連携し、支援物資が避難所内の人々へ確実に行き届くよう配慮しながら配付を行っています。
ShareQが活動する山岳レバノン県は、激しい空爆が続くベイルートに隣接しており、スタッフたちは支援を届ける側であると同時に、危機の当事者でもあります。「攻撃の収束が見えない中、大きな緊張や不安を抱えながら生活しているのは、支援を担う私たちも同じです。非常に厳しい日々が続いていて、気持ちの維持が難しいときもあります」と、ShareQのスタッフは話します。
中東全体で人道危機が深刻化する中、レバノンでも多くの人々が厳しい生活を強いられ、支援を必要としています。AARの中東危機緊急支援にご協力くださいますよう、お願い申し上げます。



