AAR Japan[難民を助ける会]はウガンダ西部のチャングワリ難民居住地と周辺の受け入れコミュニティで実施する教育支援の一環として、8,314人の子どもたちにノートを配付しました。教科書が十分に行き渡らないウガンダの学校では、板書を写したノートこそが子どもたちの「教科書」。ノートを持っていないという理由で通学を諦める子どもをひとりでも減らすため、新学年を迎える子どもたちの新たな一歩を後押ししました。駐在員の秋山広輔が報告します。

ノートを手にする生徒とウガンダ駐在員の秋山広輔=2026年2月19日
学びへの情熱あふれるノート
チャングワリ難民居住地には、コンゴ民主共和国や南スーダン、ルワンダなどからの難民約15万人が暮らしています(2026年3月末現在)。子どもたちの多くは紛争によるトラウマや児童労働、貧困といった深刻な問題を抱えており、経済的な理由などから退学を余儀なくされるケースも多く見られます。
教科書が配付されないこの地域の学校では、板書を写したノートが学習の要。子どもたちは熱心にノートを取り、試験前にはこのノートを必死に見返して勉強します。実際に見せてもらうと、とても丁寧な文字で板書が整然とまとめられており、学びへの情熱が伝わってきます。

丁寧にまとめられたノート
大きな経済的負担となるノート
初等教育校ではA5サイズ、96ページの「エクササイズブック」が使われています。中等教育校ではA4サイズで硬い表紙にミシン綴じの頑丈なつくりの「カウンターブック」を使うのが一般的です。
小学校高学年では年間20冊以上、中学生でも10冊以上のノートが必要になります。学期開始時にそのすべてを揃えるのは経済的な負担が大きく、「あと数冊足りないのでサポートしてもらえないか」と相談を受けることもしばしば。ノートを買えないために通学を諦める子どもも多くいます。

受け取ったエクササイズブックに名前を書き込む子どもたち=2026年2月13日
計15,900冊を配付
AARは支援する初等教育校6校の全校児童7,154人と中等教育校2校の全校生徒1,160人に、それぞれ「エクササイズブック」と「カウンターブック」を1冊ずつ配付しました。カウンターブックは1年を通じて使うことができるよう、頑丈でページ数も多いものを選びました。
また、特に家庭の経済的事情が厳しいなどの理由から、AARが個別支援を行っている小学生489人、中学生148人には追加でノートを提供。合計8,314人の子どもたちに15,900冊のノートを届けました。

AARスタッフに自分の夢を語るロジャースさん=2026年2月19日
ノートを受け取った中等教育校2年のロジャースさんは、嬉しそうにこう話してくれました。「家では学費の支払いや学用品の購入など、教育に必要なお金を工面するのに大変苦労しています。今回ノートをもらったおかげで、その分のお金を食事や他のことに使えます。良い成績をとって、夢である外科医になれるようにがんばります」。
ロジャースさんのほかにも「学校が始まるタイミングでノートを配ってくれて本当に助かった」「ノートが無くて通学を諦めるところだった」と、子どもたちはノートをもらったことを喜んでいました。教員や地域住民からは、「出席率が向上した」「学力向上が期待できる」といった声が寄せられました。

配付されたノートを掲げ、笑顔を見せる子どもたち=2026年2月13日
ウガンダの難民居住地や周辺の受け入れ地域で、学校に通い続けることは決して簡単なことではありません。しかし、1日でも長く学校に通い、しっかりとした教育を受けることができれば、子どもたちの人生に多くの選択肢が生まれます。困難な環境にある子どもたちの教育の機会が途切れることがないよう、AARは世界各地で活動を続けてまいります。皆さまの温かいご支援をお願い申し上げます。

秋山 広輔AKIYAMA Kosuke ホイマ事務所
土木工学を専攻した後、開発コンサルタント勤務を経てAARに入職。2024年8月よりウガンダ・ホイマ事務所、2026年5月よりウガンダ・カンパラ事務所駐在



