政情不安が続くアフガニスタンでは8月以降、数十万人規模の国内避難民が発生し、厳冬期を迎えてテント生活を余儀なくされています。AAR Japan[難民を助ける会]は12月1~2日、同国東部ラグマン県の避難民180世帯に食料、毛布などの支援物資を緊急配付しました。現地から届いた声を紹介します。
ムハマンドさん(男性/仮名)
私たちの村はタリバンと政府軍の戦闘に巻き込まれ、家や家畜を失ってしまいました。私は学校の教師ですが、この数カ月は給料を受け取っていません。妻と息子2人、娘2人と逃れて来たものの、日々の食事さえ満足にとれない状況です。役場に支援を求めても何もしてもらえず、市場では物資の流通が滞って食料価格がどんどん高騰しています。厳しい冬を控えて、日本のNGOが私たちを助けに来てくれたことに心から感謝します。
ヤスミンさん(女性/仮名)
村で大きな戦闘があって、家族14人で命からがら安全な場所に逃げて来ました。食料も家財道具も何ひとつ持ち出せませんでした。農地を借りてコメ、麦、トウモロコシ、豆などを栽培して細々と暮らしていたのですが、そのすべてを失いました。孫娘のひとりは心臓に重い病気があるのですが、治療を受けさせるだけの貯えもなく、私たちにはどうすることもできません。こうして食料や毛布を届けてくれて本当に助かります。
アフガニスタンでは8月中旬、米軍を主体とする駐留外国軍の撤退に伴い、かつて同国を支配したイスラム主義勢力タリバンが再び実権を掌握しました。しかし、国際テロ組織IS(イスラム国)による爆弾テロが相次ぐなど政情不安が続き、経済は崩壊状態にあります。国際社会が新政権の承認に踏み切れない中、国連機関やNGOによる人道支援活動が停滞し、食料供給や医療サービスが不足しています。
AARは20年余り、アフガニスタンで地雷除去事業、地雷・不発弾の被害を避ける回避教育、地雷被害者を含む障がい者支援に取り組んできた実績があります。今後も治安情勢に十分配慮し、現地スタッフや避難民の安全を確保しながら支援活動を続けてまいります。
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