みんなで楽しく遊んだよ !――AAR Japan[難民を助ける会]が支援するウクライナ西部テルノピリ州の修道院で6月4日、「子どもの日」を祝うイベントが開催され、同国東部・南部地域から避難している子どもたち、地元の子どもたち約230人が晴天の下、屋外アートや屋台での買い物などを楽しみました。AAR東京事務局の中坪央暁が報告します。
ウクライナのゼレンスキー大統領は2日、「国際子どもの日」(6月1日)に寄せてビデオ演説し、ロシアの軍事侵攻が始まって以降、確認されただけで243人の子どもが死亡したと発表するとともに、犠牲者を追悼するよう呼び掛けました。
修道院と地元の市民団体などが協力して開催したイベントでは、最初に全員で犠牲者を悼む祈りを捧げました。修道院の敷地に設けられた会場には、軽食やおもちゃの屋台などが並び、子どもたちは配られたトークンを使って買い物したり、地元アーティストによる音楽の演奏や作品展示を楽しんだり、トランポリンで遊んだりと思い思いに過ごしました。
また、キャンプファイヤーやバーベキュー、医療関係者による応急手当の実演などもあり、子どもたちは戦禍が続く厳しい状況を忘れて、笑顔が弾ける一日になりました。
子どもの日イベントはAARのほか、現地のポーランド領事館や援助団体のサポートで開催されました。修道院長のシスター・ユリアは「避難している子どもと地元の子どもが一緒に仲良く過ごす素晴らしい機会になりました。一日も早く戦争が終わって平和が訪れることを祈るばかりです」と話します。
この修道院には国内避難民の女性や子どもたちが身を寄せており、AARは3月以降、西隣ポーランドのカトリック教会(修道会)と連携して、食料・医薬品などの支援物資を陸路輸送しているほか、子どもの遊び場、治療室、地下シェルターの整備を実施しています。AARのウクライナ難民・国内避難民支援へのご協力を重ねてお願い申し上げます。
中坪 央暁NAKATSUBO Hiroaki東京事務局
大手新聞社の海外特派員・編集デスクの後、国際協力機構(JICA)の派遣でアフリカ・アジアの紛争復興・平和構築を取材。AARバングラデシュ・コックスバザール駐在を経て東京事務局勤務。