8月初旬の記録的大雨によって、北陸から東北地方にかけて河川の氾濫、浸水など甚大な被害が発生しています。被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。AAR Japan[難民を助ける会]は8月5日、緊急支援チームを新潟県内に派遣し、福祉施設を中心に支援活動を実施しています。AAR東北事務所の大原真一郎が現地から報告します。
「あっという間に地区全体が冠水し、私たちの事業所も床下浸水しました。本当に恐ろしかったです」。4日未明に大雨特別警報が発令された新潟県村上市の荒川下流域。社会福祉法人「青空会」が運営する障がい福祉サービス事業所「すずかけ」で、荒尾和志施設長は話します。ここは障がいがある約40人が利用する地域の大切な施設です。
すずかけを6日に訪ねると、職員総出で汚泥の除去や施設の清掃に追われていました。AARは被災状況を確認したうえで、そうした作業に役立つ高圧洗浄機2台を提供しました。また、同市の災害ボランティアセンター、土砂崩れで大きな被害を受けた小岩内地区の自治会に浸水した床上・床下の乾燥に使う大型扇風機を計4台届けました。
7日にはAARの協力団体であるNPO法人ピースプロジェクト(代表:加藤勉AAR理事)とともに、村上市内で炊き出しを開始し、昼食に素麺60食を提供しました。被災者の皆さんには他に弁当も配られていましたが、うだるような暑さの中、氷入り素麺は「するっと食べられるのがいい。元気が出ます」と3杯もお代わりする人もいるなど好評でした。引き続き、AARは現地のニーズを見極めながら支援を実施してまいります。
障がい者福祉施設への支援を重視
AAR Japanの被災者支援の大きな特長は、災害発生直後に物資配付や炊き出しなどの緊急支援を行った後、被災して自力での活動再開が難しい福祉施設を支援していることです。
2020年(令和2年)7月の九州豪雨では、熊本・佐賀・福岡3県の8つの福祉施設や地域団体に支援物資を配付したほか、障がいのある利用者が働く福祉事業所「わいわい虹の村」(熊本県八代市)のパン工房の再建をサポート。パン製造の作業台や冷凍庫などの資機材提供、駐車場の整備、内装工事を行い、今年4月にパン工房が再開されました。
2021年8月に九州北部を襲った令和3年豪雨でも、佐賀県内の障がい福祉・高齢者施設5カ所、障がい者・高齢者16世帯に車両や家電・家具を提供。障がい者の就労支援施設「菜菜」(同県武雄市)には農業機材や事務機器などを提供して、利用者が取り組む農作業の早期再開を実現しました。
AARは災害発生時に取り残されやすい障がい者を迅速に支援できるように、平時から全国の障がい者団体・災害支援団体とネットワークを構築して常に準備しています。災害時のAARの被災者支援活動へのご理解・ご協力をお願い申し上げます。(AAR東京事務局:生田目充)
※AARは被災地での支援活動の際、コロナ感染拡大防止策を徹底しています。関連機関のガイドラインを参考に、独自の「新型コロナウイルスの影響下における国内緊急支援ガイドライン」を策定し、東京事務局の職員が現地入りする際はPCR検査で陰性結果を確認したうえで、マスク着用や手指消毒をして施設を訪問しています。
ご支援のお願い
令和4年8月大雨緊急支援への
ご理解・ご協力をよろしくお願い申し上げます。
使途は「令和4年8月大雨緊急支援」をお選びください。
※指定された緊急支援活動に必要な資金を上回るご協力をいただいた場合は、次なる緊急支援などに活用いたします。あらかじめご了承ください。