活動レポート Report

パキスタン洪水被災地に事務所開設:復旧に向けて支援継続

2022年10月11日

AAR Japan[難民を助ける会]は、記録的な洪水災害に見舞われたパキスタン北西部ハイバルパフトゥンハー州ノウシェラ郡で8月下旬以降、被災者支援を続けています。より効率的・継続的に支援活動を行うために、このほど同郡に事務所を開設し、専従の現地スタッフを配置しました。AARイスラマバード事務所の大泉泰が報告します。

洪水被害を受けたノウシェラ郡で子どもたちと話すAAR駐在員の小柳勇人

新設した事務所はノウシェラ郡の中心部にある一軒家で、支援活動を行っている地区まで車で約20分です。事務スペースや支援物資を保管する倉庫、職員が寝泊まりできる寝室があります。これまで、被災地に届ける支援物資は首都イスラマバードからトラックで運んでいましたが、今後は事務所に一時保管して効率的に配ることができます。

新設されたAARノウシェラ事務所。支援物資の保管スペースもある

専従スタッフのムハンマド・イシュファックさん(46歳)は、妻と子ども3人の5人家族。単身赴任でノウシェラ事務所に泊まり込んで支援に当たっており、「障がい者や子ども、女性、難民など、特にサポートが必要な人に確実に支援を届けたい」と意気込んでいます。2010年の洪水の際にも、この地域で支援活動に携った経験豊富な人材です。

被災地支援専従職員のムハンマド・イシュファックさん

被災地支援専従職員のムハンマド・イシュファックさん

もうひとりのイーサン・ウッラーさん(47歳)は、8人の兄弟姉妹など43人の大家族で暮らす北西部の町ペシャワールから、毎日ノウシェラ郡に通っています。「洪水から 1カ月以上経っても、被災地では井戸水が汚染されたままで、感染症の原因になっている。井戸を修繕して一日も早く安全な水を確保できるようにしたい」と話します。

被災地支援専従職員のイーサン・ウッラーさん

被災地支援専従職員のイーサン・ウッラーさん

10月に入って被災地は朝晩涼しくなり、厳しい冬が近づいています。AARは障がい者やアフガニスタン難民など貧しい被災世帯を中心に、3カ月分の食料、毛布など越冬用の寝具を配付する予定です。また、被災した井戸を修繕したり、新たに掘削したりして、より深い地下水脈から安全な水をくみ上げられるようにします。
パキスタン洪水被災地では、復旧に向けた懸命の取り組みが今も続いています。AARの被災者支援へのご協力を重ねてお願い申し上げます。

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大泉 泰 OIZUMI Yasushiパキスタン事務所

民間企業で勤務後、2017年にAARに入職し、パキスタン・イスラマバード事務所に駐在。

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