AAR Japan[難民を助ける会]はアフリカ南部のザンビア北西部州にあるメヘバ元難民再定住地で、アンゴラ、ルワンダなど近隣諸国から流入し、定住を決めた人々を長年支援しています。AARが実施した農業支援について報告します。
メヘバ難民元定住地では、定住を決めた人々に滞在許可と1世帯あたり5から10ヘクタールの土地をが与えられます。難民たちはその土地で主食のトウモロコシのほか、トマトや玉ねぎなど地域で消費される農作物を栽培しています。AARは収入向上を目指して、市場で高値で売れるニンジン、ジャガイモなど需要の高い換金作物の栽培研修・販路拡充を支援するとともに、自助グループをつくって種子や肥料を共同購入し、農作業を一緒に行うように促してきました。
自助グループで共同作業
昨年12月に訪問した畑では、立派なニンジンが収穫されていました。自助グループ代表のパスカルさん(54歳)は、「ニンジンを育てるのは新たな挑戦でしたが、多くのメンバーが成功させたいという熱意をもって取り組みました。グループの農地は徐々に規模を大きくしており、その収益やメンバーからの集金によって蓄積されていっている共同財産も増えてきました。いつかこの資金でトラクターを買い、メンバーたちが共同で使えるようにしようと思います」と目標を話してくれました。
パスカルさんは1983年、内戦状態だったアンゴラから両親と3人で逃れてきました。今では8人の子どもと12人の孫がいます。「私が望むのは、豊かになって子どもや孫たちにしっかりとした教育を受けてもらうこと。私自身はその機会がなかったのでね」。そしてAARの支援事業を通じて多くの知識とモチベーションをもらったと笑顔を見せてくれました。
教育支援を開始します
メヘバ地域は東京23区ほどの広さがありますが、中学校が2校しかなく、約1万人の子どもたちが進学できずにいます。AARは今後、教育支援にも取り組んでまいります。