4月4日は「国際地雷デー」(地雷に関する啓発および地雷対策支援のための国際デー)。2005年12月8日に国連総会で宣言されて今年で18回目となりますが、地雷対策が進んだ国がある一方で、ロシアの軍事侵攻を受けたウクライナのように新たに被害が生じている国もあります。
※解説コーナー「ウクライナの地雷・不発弾 農業生産にも打撃」はこちら
AAR Japan[難民を助ける会]が参加する地雷禁止国際キャンペーン(ICBL:1997年にノーベル平和賞受賞)の「ランドマイン・モニター報告2022」によると、2021年の1年間に報告された被害者の数は50カ国・地域で5,544人に上ります。犠牲者は近年、減少傾向にあるものの、国によっては実際の被害はもっと多いと見られます。
また、対人地雷禁止条約(オタワ条約)締約国のうち、2022年10月時点で67カ国・地域で地雷や不発弾が確認されているほか、締約国ではない22カ国でも地雷が埋設されています。カンボジアやラオスなど被害が減少した国もありますが、国際社会から注目されないまま被害が拡大している国もあります。例えば、内戦が続くイエメンでは、地雷・不発弾による子どもの被害が2018年から2022年までに約3倍に急増しています。
たとえ地雷そのものがなくなっても、被害が消えるわけではありません。AARが活動するウガンダでは、2012年に地雷除去活動が完了しましたが、地雷で脚を失うなど障がいや後遺症に苦しむ人々が少なくありません。地雷被害者への政府の公的サポートは限定的であり、AARを含む国内外のNGOの支援に頼らざるを得ないのが実情です。
いつか「昔は地雷デーという日があった」と振り返られるようになるには、まだまだ多くの時間と努力が必要です。今後ともAARの地雷対策事業へのご理解・ご協力をお願い申し上げます。