アフガニスタン情勢に関して、AAR Japan[難民を助ける会]が加盟する「日本アフガンNGOネットワーク(JANN)は共同声明を出しました。
「日本アフガンNGOネットワーク」(JANN)有志団体による共同声明アフガニスタンにおける戦闘と暴力の停止、対話による平和的解決、人びとを代表する政府の樹立、全ての人びとの人権の尊重、同国への支援の継続を求めます
2021年8月20日
私たちは、アフガニスタンで活動する日本のNGOのネットワーク「日本アフガンNGOネットワーク」(JANN)の有志団体です。アフガニスタンでは戦闘が急速に拡大・激化し、様ざまな暴力も続き、さらに、首都カブールも含め、ほぼ全土で、既存の統治体系が全く変化しています。文字通り、戦争と平和の、そして国の将来の決定的な分岐点にある今、私たちは、あらためて、アフガニスタンにおける平和を心より希求し、以下の要請をいたします。
戦闘と暴力の停止について
アフガニスタンに駐留する外国軍の完全撤退の期限が迫る中、戦闘が急速に拡大・激化し、また様ざまな形での暴力も続き、一般市民を含む多数の人びとが死傷、多くの被害も出ています。人々の悲しみ、怒り、苦しみははかりしれません。私たちは、亡くなられた方々に深く哀悼の意を捧げるとともに、ご家族や親族、友人の皆さまに心よりお悔やみ申し上げます。
私たちは、依然、そうした戦闘と暴力が続くことを強く懸念します。私たちは、武力による攻撃と暴力を非難し、ただちに、そして将来にわたり、戦闘と暴力が停止されることを求めます。そして、関係主体、関係国、国連、日本政府を含む国際社会が、この状況に対して、そして将来にわたり、さらなる武力で応じるのではなく、戦闘と暴力停止のためのあらゆる働きかけを行うことを要請します。
対話による平和的解決、人びとを代表する政府の樹立、全ての人びとの人権の尊重
私たちは現地の人びととともに、現地に根づいて活動に取り組む団体として、戦争と暴力によってもたらされるのが、悲しみ、怒り、苦しみだけであるということを経験してきました。戦争と暴力で問題の解決をもたらすことはできません。
私たちは、これまで多くの人びとの努力によって進められてきた紛争当事者を含む和平プロセスに敬意を表します。現在、状況が大きく変わったとはいえ、対話による平和的解決の必要性、重要性に変わりはありません。私たちは、包括的な人びとの層を含む対話による現状の平和的解決、そしてそれを通した人びとを代表する政府の樹立を求めます。そして、その中で、また将来・社会全般にわたり、全ての人びとの人権が尊重されることを求めます。さらに、関係主体、関係国、国連、日本政府を含む国際社会が、そのためのあらゆる働きかけを行うことを要請します。
アフガニスタンへの支援の継続
アフガニスタンはこれまでも、世界から忘れられ、あるいは孤立し、それが人道危機に、また戦争や暴力にもつながるという悲劇を繰り返してきました。私たちは国際社会に対し、現在すでに発生している深刻な人道危機に対しての支援も含め、多様な分野でのアフガニスタンへの支援を継続し、必要に応じて強化していくことを要請します。
アフガニスタンの人びととともに、平和を願ってやみません。
以上
「日本アフガンNGOネットワーク」(JANN)有志団体(2021年8月23日現在)
特定非営利活動法人ADRA Japan
認定特定非営利活動法人カレーズの会
特定非営利活動法人ジェン
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
特定非営利活動法人難民を助ける会
特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター
一般社団法人平和村ユナイテッド
特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン
他1団体