AAR Japan[難民を助ける会]と関西学院大学は6月16日、公開シンポジウム「難民の今を考える~ウクライナ人道危機を中心に」(後援:読売テレビ放送)を開催しました。「世界難民の日」(6月20日)に寄せて、関学西宮上ケ原キャンパス(兵庫県西宮市)で開かれたシンポには、学生・社会人など約300人(オンライン視聴含む)が参加し、来日ウクライナ避難民女性の声やAAR職員の現地報告に耳を傾けました。
井上武史学長補佐の総合司会で始まったシンポでは、清水康子・総合政策学部教授(国連難民高等弁務官事務所元職員)が世界で1億1,000万人を超える難民問題の概況を説明したのに続き、AAR会長の長有紀枝(立教大学教授)が動画メッセージであいさつ。昨年来2度ウクライナ国内を訪ねたAAR職員の中坪央暁が、現地で撮影した動画と写真を使って当会の難民・国内避難民や障がい者支援活動を紹介しました。
神戸在住の来日ウクライナ避難民女性、ヴァシルチェンコ・ヴァレリアさんは、昨年2月24日未明に首都キーウへの攻撃が始まった瞬間から日本に来るまでの体験を語るととともに、戦時下の母国に思いを馳せながら、「私たちウクライナ人が日本でたくさんの支援を受けていることに感謝している。今は将来の計画を立てることもできないが、一日一日を(しっかり)生きていきたい」と話しました。また、総合政策学部4回生、神谷眞佳さん、森岡眞太朗さんは日本の難民政策について発表し、「難民の受け入れを進めるために私たち若い世代が積極的に発言する必要がある」と訴えました。
読売テレビの山川友基サステナビリティ部部長の進行による質疑応答では、参加者から「ヴァレリアさんは来日前と実際に来た後で日本の印象は変わったか」「難民支援の現場で最も必要なことは何か」といった質問が出て、私たちひとり一人がウクライナ危機に対して何ができるのかを考える機会となりました。
ご参加いただいた皆さんと関西学院大学、読売テレビ放送の関係各位に心より感謝いたします。引き続き、AARのウクライナ人道支援へのご協力をよろしくお願い申し上げます。